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本気の冨田
宇治菰野は徹底的にSGの小池中心に攻める。全てのオフェンスでボールを触り、ほぼ全ての得点に絡んでいた。
宮市高校はセットオフェンスでの中心は冨田と俺だった。俺はアシストは得意ではないが、冨田が上手くコート全体を見渡しパスを捌く。1Qを終えて21-14。冴島はあえてオフェンスに絡まなかった。冴島に負担をかけずこのリードは上出来だろう。
冴島を下げて伊田をセンターに入れる。永野はPFだ。引き続き俺と冨田を軸に攻めるように言われた。そしてディフェンスの指示。鈴木監督は宇治菰野は溝口でガンガン来ると予想した。俺と永野に上手くヘルプに行くよう言われた。
2Qは冨田が暴れる。スクリーンを呼び、ドライブ、スリー、ミドルと連続で成功させ28-16。相手にタイムアウトをとらせる。監督からは特に指示は出ない。
「張り切ってんな」
「あぁ。冴島さんだけじゃないと思わせないとな」
確かに冴島だけが警戒されているとしたらそれはムカつく。俺も張り切って行く。
「大和は永野とディフェンス頑張れ、オフェンスは俺がやる」
「……しゃあねえな」
少し残念ではあるが、それが1Q終わりの監督の指示だ。仕方なく従う。




