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友達
観戦終了後、俺と富田は急いで公園へ向かう。到着すると、山里が1人地べたに座り込んでいた。
「2人とも、遅いよ……」
泣きそうな顔だった。
「悪い、ごめんな」
俺は無意識に謝っていた。山里を1人で待たせ、辛い思いをさせてしまったと思った。
「えへ、負けちゃった」
「あぁ」
「もう少しだったんだけどね」
「うん」
「私がスリー決められなくて」
山里の眼が赤かった。おそらく泣いていたんだ。
「あとちょっとで追い付いたのに……」
「そうだな」
俺は山里の頭を掴むようになでる。
「練習、するぞ」
涙をこぼしながら山里が頷く。
俺は出場時間が長かったので疲れていたが、そんな事は関係ない。冨田にパス出しを頼み、俺がリバウンド、山里がひたすらスリーを打つ。
俺達は友達だ。誰かが哀しんでいるなら手を差し伸べる。山里は鼻をすすりながらシュートを放つ。確率はいつもより悪い。それでも何もしないよりはいくらかマシな筈。そう信じて、山里にシュートを打たす。
帰り道。山里と俺は自転車を押して歩く。
「ありがとね、練習」
山里が恥ずかしそうに言う。
「ん?あぁ、気にすんな」
自分でした事が少し恥ずかしくなる。
「おかげで気が紛れたし、もっと上手くなろうって思えた」
俺は無言で頷く。
「また一緒に練習しようね」
山里に笑みが戻った。




