鉄壁
試合が終わりベンチを片付けていると、梅丘の選手達が降りてくる。先輩達は梅丘の選手を睨みつけ、火花を散らす。
「さっさと行くぞ」
キャプテンの佐倉が声をかけ、急いでベンチを後にする。
次はシードで2回戦から登場の梅丘高校の試合。対戦相手は聞いたことのない高校だった。俺達はロッカールームで着替えて観客席で試合を観戦する。今回は全員でだ。
「ディアプ以外の選手も見るんだぞ」
監督から忠告があり、試合が始まる。
ジャンプボールは相手に跳ぶこともさせずディアプがボールを叩く。ボールは前に飛び早速速攻が決まる。これは俺達も気を付けなければならない。ジャンプボールでディアプに勝てる選手は県内を探してもおそらくいないのではないだろうか。身長、腕の長さ、ジャンプ力、どれをとっても県下トップクラス。脅威はゴール下限定ではないようだ。
試合は一方的な展開を見せる。1Q、17-3。なんと相手の高校はスリー1本成功しただけだった。ディアプを中心にディフェンス力が高い。楽に打てたシュートがなかった。
続く2Q、インサイドは攻められないと思ったのか相手の高校はスリーやロングツーを多投する。しかしディフェンスが広がり、厳しいシュートチェックを受けまともなオフェンスが出来ない。前半を35-9で終える。
「すげーな、ディフェンス」
「インサイドはかなり厳しいな」
俺が呟くと冨田が返す。やはり外から打つ以外に手はないのだろうか。
3Q、梅丘ボールで始まり、いきなり凄まじいプレイが出た。アリウープだ。ディアプのポストアップに対してフルフロントで守った瞬間だった。アリウープが決まるという事は、パサーの技術が高く、ディアプが思ったよりオフェンスが出来るという事だ。俺達は言葉を失う。
試合は70-21で梅丘が勝利。ディアプのディフェンスをどうかいくぐるか、そしてディアプのゴール下での強さをどうするか。大きな課題がつきつけられた。




