帰り道
ハンドリング練習は山里が4回、俺が2回ミスしたがなんとか20回連続で成功させる。
「オーケー、なかなか早かったよ」
冨田が俺達を労う。だが、冨田なら1度もミスはしないだろう。
夕方になり少し涼しくなってきた。自主練はこれで終わり。ゆっくりストレッチして帰る準備をする。
冨田と別れ帰り道。俺は山里と話しながら帰る。
「冨田くん、知ってはいたけどすごいねー」
「あぁ」
「しかもアメリカ帰りだって」
「そうだな」
「もー、つれないなー。大和くんの事も教えてよ」
「えぇ……俺かよ」
俺は冨田のような経歴はない。至って普通の中学生だった。
「なんでも良いんだよ?」
下から覗かれ、俺は目を逸らす。自分の顔が赤くなった気がしたのだ。
「俺は……普通にバスケ頑張ってたくらいかな、誰にも負けないと思ってた」
「思ってた?」
「あぁ、冴島さんに完敗したからな。自分はまだまだなんだって思い知った」
「ふーん」
「でも、まだ諦めてねえ。あの人が引退するまでSFのポジションは狙う」
まだ誰にも言ってないが、俺はスタメンになるためにSGをやるが、理想はSFだ。
「じゃあ……応援してあげる!」
「お、おう。ありがとな」
また顔が熱い。山里は冴島に憧れていたらしいので冴島を応援するものだと思っていた。
俺はニヤけるのを隠すために山里と反対の方向を見る。山里はフフッと笑っていた。




