トーナメント
ある日の放課後の部活。鈴木監督が遅れて体育館にやって来て選手を集める。手にはA4の紙があった。
「勘の良い奴は気付いていると思うが、県大会のトーナメント表が出た。試合は来週末からだ」
いよいよだ。このトーナメントを勝ち上がれば全国に行ける。
「今年は3回戦で梅丘とやる」
選手がザワつく。俺でも知っている有名な高校だ。数年前から留学生を招き入れ、成績をグングン上げている。優勝しても何の不思議もないチームだ。
梅丘高校のエースは3年生、198cmのセネガルからの留学生センター、ファイ・ディアプ。線は細いが腕が長い。
「ディアプにはとりあえず大内についてもらう」
大内は183cm。15cmのミスマッチだ。
「幸いディアプにミドル以上はない。鍵はリバウンドになる。佐倉、大内、冴島、頼むぞ」
リバウンドは高さだけではない。ポジションどりが最も大事だが、それでも高さだけでとれるリバウンドは1試合に何本もある。ゴール付近で仕事をされるとかなり苦しいだろう。
「あとはオフェンスだな」
冨田が小声で俺に呟く。
「ディアプがいるゴール下ではそう得点出来ない。外からどれだけ決められるか……」
「梅丘は留学生だけのチームじゃないからな。普通に良い選手沢山いるぞ」
冨田が考えていると冴島が会話に入ってくる。
「良いパス頼むぞ、冨田」
「もちろんです」
この2人は練習中もよく同じチームでやっている。冨田から冴島というパターンは試合でも多く出るだろう。




