過去
「ってことは、帰国子女なの?」
山里が冨田に聞く。
「うん。中学だけだけどねー」
「へー!すごいね!」
へぇ、という言葉しか出てこない。帰国子女という物に会った事がないので反応に困る。
「なんだよ大和、何も言わないのか」
「……向こうじゃエースだったのか?」
「まさか。アメリカは小さい日本人がエースになれるようなチームはそうないよ」
意外だった。強いチームでは、という意味だろうが、リーダーシップもあるし、エースになれるだけの実力はあると思っていた。
「まあキャプテンだったけどな」
やはり。こいつはキャプテンに向いている。
「英語得意なの?」
山里が聞く。
「日常会話とバスケはね。筆記はあんまり」
冨田が答える。
それから店が空いていた事もあり俺達はかなり長い間そこで話をしていた。
冨田が親父さんの仕事の都合プラス本人の気持ちもあってのアメリカ留学だった事、アメリカの彼女とは円満に別れた事、中学の時のエースはNBAを目指している190cm以上ある黒人だという事、鈴木監督が親父さんと知り合いだという事などを聞いた。
山里は冴島の事を色々と教えてくれた。中学では180cmくらいで2年生の時からエース、3年の時にはかなりモテていた事、県大会でもかなり良いところまで行った事、もっと上の強豪高校からも誘いがあったが鈴木監督の熱心な勧誘で進学を決めた事などを聞いた。




