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Beast WING  作者: FRAYZ
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冨田の凄さ

続いてスリーの練習。俺と山里は10本入る度に交代で、合計30本決めることになった。

例によって俺には鋭い強いパス、山里にはゆるいバウンドパスを出し続ける冨田。ひいきだ。

「パス強すぎるぞ、もっと……」

「お前は良いんだよ、男だろ。女子より強いパスが来るのは間違いないんだからな」

言葉を遮られ、論破される。確かにそうだ。女子バスで冨田のように強いパスを出す選手はいなかったが、男子なら間違いなく冨田がいる。こいつがPGで俺がSG。そう思い描いている以上、パスが強いのは仕方ない事なのだ。

俺達はなんとかスリーを30本決め、冨田の順番が来る。

「さっきほどは振らなくていい。パサーはトップからとローポストからの2箇所で頼む」

また、より実戦を想定しての練習だ。俺がパスを出し、冨田がキャッチ&シュート。さっきのミドルより確率が上がる。それはパサーの位置が変わっても変わらなかった。

「流石だな」

俺は冨田を褒める

「それよりパス下手だな大和。もうちょい練習した方が良いぞ」

冨田は笑っていた。笑顔で言われても腹は立つ。

「で、次は何するんだ?」

「休憩」

「え?」

「休憩だ」

確かに疲れはした。だがまだ体力に余裕はある。

「昼間は無理しねえんだよ。また4時に集合な。山里さんも来られるならよろしく」

「うん、もちろん」

という訳で俺達は某ファストフード店に来た。冨田は肉ばかり食べている。

「ねーねー、山里さんは彼氏いるの?」

「いないよー。冨田くんは?」

「彼氏はいないよー」

2人が笑う。冨田はさらっとこういう事を聞き出すから凄い。

「アメリカにいた時なら彼女はいたけど」

「アメリカ?」

聞き間違えかと思い、聞き直す。

「アメリカ。テキサスのダラスにいたんだよ、中学まで」

肉を口の中に詰めながら冨田が言う。初耳だった。確かに近くの中学なら冨田ほど上手い奴は名が通るだろう。県外どころか、海外なら日本で無名なのも頷ける。

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