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アイツ縛りてぇ







もう何回か合戦したけど。はっきりイッてですね。正直な感想!

ニンゲンサイドが弱すぎる。

インパール作戦のようなモンばかり。根性論でバンザイアタックしてくる。

これでこいつらどう勝つつもりなんだよっ!と素人でも判る雑な攻め方。

そりゃ、魔族が戦況を圧倒するわけだ。

このバカ王子様は素人の俺から見たって普通に有能だしな。

ではどうサポートするか?

よわよわバカ攻めの人類軍をどう勝たせるか?

こっれっがまた!大苦労!

勝たせよう勝たせようとしてんのに!勝手に負けて行きやがる!!

その無策極まりない!全滅上等!脳筋アタックはやめやがれっっ!!!


その反対に魔王軍はとにかく優秀。状況地形を読み、理路整然たる進軍。部隊配備。指揮系統は整理され、兵站も万全。須く兵も意気軒昂だ。

ほっときゃ魔王軍の楽勝は見るだに確定だ。

はぁぁぁ……。

溜息しか出ねぇ。


どうやったらあのバカ人類軍を勝たせられんだよぅぅ。


魔王側指揮系統の頂点が一応俺、と言う点だけが唯一の救いだ。

心折れてはいかん。なんとかするぞなんとかするぞなんとかするぞ。



そん中でも白眉、と言う存在は居る。やたら悪目立ちしまくってる。

敵方の、と言うか人類の希望の星ジャンヌダルク的な存在。

歴史通り!脳筋無理攻め、イキオイだけで勝つ的な。

名前はまだわからないので適当に〝脳筋ジャンヌ〟と名付けておく。

「神の名の下に! 名誉ある戦死こそ天国へ召される唯一の手段!」

とか、狂信者そのもの。

大量戦死をまったく顧みないバカ攻め。脳筋乙女。

神と共に進め!と人類軍を鼓舞する。バカスカ死ぬが、戦法としては軽く見るわけにはいかない。こいつらが結局一番強い。なんか取り憑かれたように戦うし、バーサーカーだらけになっちまうし。

正面から組み合えば強い。だが縄一本あればめためたに転びまくるような連中なのだが。

もうなんたってすごい。俺のスキルで縄一本張っただけで、最前列の連中が全員!全員だ!コケた。

第二列がそれに引っかかってコケた。第三列は……言うまでも無い。

大崩壊。あっという間にヒトの山。筋肉男達が立ち上がれもせずうざうざもがいている。

もう……その時点で殲滅し放題では無いか……首落とし放題?縄一本でこれ?

……勝つ気……ある?……???



そんなのを指揮しているやつもバカだ。怒声をあげて、剣を振り回してただ突っ込んでくるばかりだ。バカ。殺さないようにするだけで一苦労なんだぞ!

コイツ死なせないように戦うだけでも頭が痛いのにっ!

オマエ全人類軍の希望の星、なんだろ! オマエが死んだら軍がガタ崩れなのはもう目にも明らかだろっ。

なのに!なんでそうただバカみたいに突っ込んでくるばっかりなんだよ!

俺がちょいちょい軍陣を調整してやらなきゃもう三度四度死んでるンだよっ。

はぁぁぁ……もうちょい……もうちょい……なんとかしてくんないかなぁ……。


ただし、超絶肉感的グラマー。当然美人。

緊縛欲をそそりまくる絶品ボディ!

コイツ……縛りてぇ……いろんな形でっ……

そんな俺の緊縛欲をそそらずには居られない!ええからだしてんのだ。

くっそう……コイツまた……生け捕りに出来ねぇかなぁ……。

絶対コイツが突出してくる時は俺が先陣に立ち、誘導する。

無事に緊縛、捕獲して……一応死なないように確保する。

そんなのを何度かやってると、もう……俺に対する恨み辛み屈辱が積み重なってスゴいことになっている。


遠く戦場で睨み合う。ハンドサインで煽りあう。

両手で持った縄をびしぃぃっ、と引き、縄音を鳴らす!

おまえを必ず!シバってやるっ。

脳筋ジャンヌが親指で喉を搔ききる仕草をし、その親指を地面に突き刺すように!向ける!

おまえを殺す。kill you!

殺意ありすぎでしょ。あの人。

何回か恥ずかし責めに括りあげたら……もう、不倶戴天の敵と見なされたようだ。

ただの敵意を遙かに超えて、殺意の波動がびんびん伝わってくる。

せっかく、殺さずに生かしたまま返してやったのに。

恥ずかし固めに括られたままに、だが。

股縄をぎりりと締めて、Iの字ポーズのまま、ガチガチに括り上げたまま、とか。

なぜだか、脳筋ジャンヌには魔本〝縄師入門〟のエロスキルが効かない。ようだ? でろでろにはならないみたい。みたい? どこかでなってる? 

生き地獄だった? そのまま王都まで運ばれた? 解除出来る高等魔術師がそこまで戻んなきゃ居なかったって?

へー。あっそう。(鼻ほじー)

何度でも羞恥縛りで恥を晒させてやるぜ。

だからもう攻めて来んなっ。




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最近大当たりの出会いもあった。

中庭の緑深い中を書類を抱えて、てこてこ歩いていた時。

めっちゃ小さい女の子を発見した。一目見て驚いた。ちっせぇぇ。

こんな種族もいるんだ。魔族。改めて驚愕と共に息を呑み込んだ。


魔王軍ってーのはいろんな種族の混成部隊だと言うことは目にも耳にも知っていたが。書類上でも。

その女の子は身長三十センチもなかった。

花壇の縁のブロックに腰掛け……なにやら深々と溜息をつき、憂鬱な表情を浮かべている。

その隣では、なんか鳥?カラスか?黒い鳥が彼女を慰めるように、ぴいぴいと鳴いていた。

それが俺がサヤカを知った初の出会いである。

最高の逸材であることを、その後に理解することになる。

妙に日本人っぽい名前だね。魔界なのに。



「サヤカ!左陣のドワーフ隊に伝達だ! あと二三合打ち合いして、三ヤード一時後退だ!復唱!」

「はいっ! 後二三合……ど、どうにかして!……えっと、左右に散開ですねっ!」

サヤカの目がぐるぐるしている。

うん。イイぞ。早速間違ってる。

「さあ行け!」

「はいっっ!」

魔鳥に乗って俺の指揮を伝達させる。やる気一杯の!超元気な返事を一つ返して、少女じみた姿が鳥の背に乗って消えていく。

指示を伝えに行った一団が明らかに混乱している。右往左往し、一部は全然すぐに後退を始めた。よしよし。

またとんちんかんなことを伝えてるな。よしよしよし。飛んでる間に、何伝えればいいか忘れてしまう鳥頭が実に頼もしい。逸材である。

実に俺の意に通じている。当たり障り無い、どーでもイイ指示を伝えさせただけなのだが。

やる気だけはある。ありまくる。でもやる気だけはあるけど問題児、これほど味方に迷惑なモノはない。

その事実が魔王軍勢の混乱として、今眼前に広がっているのであった。


ある意味超有能。もう大好き。いいぞ。サヤカちゃんは。即!俺の側近とした。

俺にもなんか伝達を持ってくることはあるが、まず意味がわからない。ま、基本、想定の外に放り投げておけばいい。ホントに重要なことは書面で来るだろ。

ただ大げさに褒める。

「エラいぞ!サヤカ!賢いなお前は!」

心にもないことを大げさに伝え、そのちっさな頭を指先でごしごしと撫でてやる。

それだけで、えへへ、と恥ずかしげに笑って、顔中いっぱいに!花咲くように微笑んで!ご満悦なのだ。

その扶桑の花が綻ぶような笑顔が俺の心を柔らかくほぐしていく。ああ。

可愛いと言えば可愛い。いや、はっきりと超可愛い!ペット的に!

サイズ的に机に飾るフィギュアサイズなのが、なお可愛い。

俺のお気に入りの伝令係なのだ。

迷惑掛けられた部隊の連中は首を捻っている。なんで王子様をあんなの使ってるんだ?愛嬌枠じゃね?正直迷惑なんだが。意味がわからん。

そんなことが言い交わされているのはなんとなく知ってる。

今までまともな連中は相手してくれなかったのだろう。絶対そうだ。当たり前だ。

で、俺の側近として採用されて嬉しくって嬉しくって仕方がないのだろう。

他になんか?他になんか?と張り切ってる。歓びが瞳に溢れかえっている。

その愛嬌、愛らしさは俺のささくれ立った心を大いに慰めてくれるのだった。

愛嬌枠。確かに。癒やし枠。確かに。ああ……癒やされるぅぅ。心が浄化されていくぅぅぅ。

そのサヤカを見つめる俺の目が細く、目尻が垂れ下がる。

「いや。今は特にない。休んでろ。疲れただろ?」

ごしごしと頭を撫でてやると、うふふ、とくすぐったげに首を縮めつつもその目が嬉しげにきらきらと光る。


ぽとり、と肩から飛び降り、俺の座り込んでいる生肉椅子チツに話しかける。

「チツ司令官様ぁ……ご飯食べます?」

「私は犬ではない!椅子だ!椅子がエサを食べるかっっ!」


その言い切り方もどうかと思うが。

このままなんか喰わすか?地べたにどさっと置いて。手を使わせず口だけで喰わすか?ふふっ。

それも屈辱にまみれさすプレイの一つとなるか?あ?








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