一般誌枠の危機!でしかない!三バカマゾおんな戦士達!推参!part2
初陣は終わった。何も出来ないまま。
とぼとぼと丘を降りていく俺の後ろを三人おんながついてくる。
何でついてくんだ?
と、気づいた。護衛を命ずる、とか言ったのでした。
そんなのも頭から飛んでいた。
ただ三人の指揮官はその命に従い、俺の後を付いてきた。
なんだか。アタマが回らない気分。はぁぁ……
そんな簡単に死んじゃってイイの?いいのかね?縁もゆかりもない人たちだけどさぁっ。
一兵卒ってこんなもん? 残酷すぎないか? つまらなくって無意味すぎないか? ただ切り刻まれる為に、それだけの為に、それだけの意味しかなくこんなとこまで来たのか?
遙々(ばる)来て……敵刃に倒れました……それだけのもんなの?
残された家族とか居るんじゃねぇの? 俺は知らんけどさぁぁぁ。
軽々しい同情心も湧かない。怒りも胸の奥で鎮火している。
確かに。呆れるだけの王子様も判らんでもないなぁ。はぁぁぁ……
ここからどうするか……ただ一筋……か細い糸が一筋だけ通っていた。
人類軍側にアクセスする手段も一つ……なにかしら持たねばならない。絶対に。
絶対に、だ。
そうで無ければもうどうにもこうにも。
魔王城に着く。
女騎士達が後ろを付いてくる。その超巨乳をぽわぽわさせながら。三人に二つずつ、計六コのデカデカの肉塊が歩みに合わせてふわふわと揺れる。
呑気におっぱい揺らしやがって。どこまで付いてきやがんだ。
それは勿論、俺が解散、と言わない限りはどこまでも付いてくるもんなんだろうけど。
どこでそれを言うか、なんかタイミングがなく……私室に着いてしまった。
ドアを開けて中に入ると……当たり前のような顔で、雰囲気で……中まで入ってきてしまった。
結構広い私室にいきなり……三人分のおんなの薫りが立ちこめた。
とにかく一回執務用の椅子に座った。座りたくってたまらなかった。一度座ったら溜息しか出なかった。肩をがっくり落として喘ぐように息をした。
背もたれにぐたりと体を倒し、天井を見つめる。
なんにも出来なかった鬱屈。目に余る人類軍の醜態。ノーアイディアの自分。
心の奥が渇いていた。苛ついていた。
縛るか。
憂さ晴らしに。
いつもはメイドさんとか温和しい女ばかりだったから。こういう戦士としての顔もある荒々しいおんなは…………どういう反応を示すんだろう?
俺は女どもに見えないように、にたりと微笑んだ。
椅子から立ち上がり振り返ると、横一列に立っているおんな達に向き合った。
「ここが俺の私室だ。ここで護衛任務についてもらうこともある。ここまでの道筋は覚えたか?」
「はい……」
三色のおんな声が僅かに重なって響いた。
「夜通し警戒の任務についてもらうこともあるかも知れないが……覚悟は出来てるか?……心構えは出来ているか?」
言外の意味に気づいたか、三人おんなが一斉に顔を赤らめた。
それでも、赤らんだ頬をきりっと引き締めて、褐色グラマーがこくこくと首を小さく振り、黒ドレス魔法使いはふいっと顔を逸らし、天使コス戦士は聞こえないふりをしているようだった。
「王族の手慰み……になったことはあるのか?三人とも」
もう私室だ。言葉を選ぶ必要はないだろう。
「今まではありませんでした!ですが!そ、そういう任務もおんな騎士には存在する、と話には聞いておりました!」
褐色超絶グラマー女戦士が、軍人らしく背筋をぴんと伸ばし、はきはきと答える。
「どういう風に?」
「……い、一番身近で……肌を合わせるほど身近で、警護任務に当たるものと……べ、ベッドの中まで帯同するものと……伺っております……」
恥じらいが出たのか、徐々に身は縮み、声は小さくなっていった。
「隣は?」
「わたしは……き、聞いてはおります。ですが……承諾するかは個人の意思、とも……伺っております……」
赤らめた顔の中にも瞳がきりりと引き締まっている。だが動揺は走っていた。
はっきりとした拒絶ではない。おんなの揺れる気持ち、がそのまま微かに揺れているからだに表れていた。
「隣は?」
「この軍に所属する際の契約には含まれておりません。見ての通り魔族ではない出自。契約が存在しない限り……それは自由意志に含まれるものかと存じます」
冷徹な瞳で淡々と応える。クールビューティーという感じか。いかにもプライド高そう、と見える。天界の出身、と言う俺の感想はきっと正しいのだろう。
なぜそうなったか、とかは聞いてみないと判らんが。
ふぅん。ま、そういうことね。褐色グラマーはそのまま承諾しそうだな。
シャワー浴びにいけ、と伝えればそのまま素直に行きそうだ。
黒ドレス魔法使いはちと、説得の必要がありそう。でも薄皮一枚、と言うとこか。
天使コス戦士は……なんか固いな。ただ真っ直ぐ強要したら真面目に拒否してきそう。
「ふふっ。手慰み、といってもいろいろ種類がある。判るな?」
どきっ、と小さく跳ねたのが褐色グラマー。ふっ、と目線を斜めに下げたのが黒ドレス。顔は赤いままだ。天使コスは無関心のように顔色を変えなかった。
「まあそう警戒せずともイイ。ここで服を脱げなどと無粋なことを言う気はない。実は……ある種の健康法を試している」
「……健康法でありますか?」
褐色グラマーが小さく首を傾げる。リアクションのイイコは好きだよ。ふふふ。
「多分に俺のスキルの試験も兼ねていたりする。つまり……」
机の上におきっぱにしてあった魔本〝縄師入門〟を手に取る。椅子から立ち上がり、胸の前にその本を構え……ページを開いた。
「……こういうことだ」
開いた本から!縄が三筋!滑り出していく!
あっ、と言う小さな声と共に三つの女体が……縄に取り巻かれていった。




