第十三話「マインドサーチャー」
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目が覚めた、、いや、目など元から覚めている。別になんてことない朝だ。光が届いているか認識するよりも感覚で朝を理解できるようになろうが、開いたままの瞳は精気の無い暗闇だ。
「、、頭が働かない、、朝っぽいけどわからないな。多分短い時間だが、、何日経ったんだ、、この部屋の中で。」
ーーーー現在は柊琉導は、両手を縛り吊るされ、小部屋に幽閉されているのであった、、、、、
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2日前
謎のゾンビと百合を招き入れてから一日経過した。たった一日だけしか経っていない。それなのにまた、人がやって来た。
「おや?先客ですか。こんなところに。」
マヌケか食料だけを取って行っくつもりの強盗か、もうこのご時世、一人でのこのことやってくる人はいない。誰もが警戒する。
その男は髪は明るめのミルクティー色に黒メッシュの長めのセンター分けとなっている。
丸い大きめのメガネをかけ、やんちゃそうな顔つきとは裏腹に、服はシャツのような仕事服で、黒コート
を羽織っている。少しホスト感のあるザ・社会人スタイルだ。珍しいのはネクタイが深緑色なところだろう。あまり見ない色だ。
「誰だい?若者1人、、ってねぇ、このご時世だってのにその行動力は素晴らしいね。」
ことさんは少しの違和感を察知する。昨日来た2人は腹が減っているのがわかるくらいには顔が少しやつれていたが、今目の前にいる男は髪は整っており、身だしなみも汚れが見当たらない。
「貴女、動揺してますね。何故?、、それもそうですね。彼らを守る、その役目があるからですかね。」
ことさんはわかりやすく顔に驚き顔を出していたが警戒心は揺るがない。
が、この発言にことさんの後ろにいる人たちが身構える。
「少し脅かしてしまいましたか。そのようなつもりではなかったのですが、、」
「目当ては食料かい?生憎、食料だけは寄付はできないんだよ。」
その言葉を聞いて目の前の男はじっと目の前に見える人たちを見る。
「食料もですが、、私は宿が欲しくてここへ来たのです。スポーツショップなら最低限の食料の確保と数日の滞在は可能と思いまして。」
同じ考えの同胞が来たと知り、警戒していた人たちは安堵し始めた。それでもこの男は少し不気味だと、ずっと腹を探られているのではないかと思わせる雰囲気がある。
「とりあえずこの中に入れ。ゾンビが来たら死ぬぞ。」
マーシーさんの指示でその男は入場を許可された。横で百合と見ていた琉導はじっとその状況を眺めている。
「(まあ、引き入れるつもりだったろあの2人。優しいんだよ。メリット無いのに俺たちも入れてたし。)」
中に入って周りを見て、男はマーシーさんに目線を送った。
「、、貴方が店長さんですか?初めに私の前に来た貴女も余程信頼されているようで。」
よくもまぁピンポイントで当たれたものだ。ことさん、マーシーさんは私服だ。勿論他も全員私服だ。
確かに喋りかけたのはその2人だ。だが店長を当てるなど勘が鋭いにも程がある。
「皆さん、あまり警戒しないでください。別にこんな世の中だからと言って暴力や強奪はしませんよ?、、、それとも、他に何か警戒しなければならないことでも、、?」
その的確な指摘はその男の目線を琉導の元へ向ける一手となってしまう。百合は男と目が合ってしまい、何をどうすればいいのかわからなくなってしまいあたふたする。
「あ、どーも。私は花幡百合。あなたは?」
「、、、」
男の視線は百合に向けたものではなく琉導、、、異質なゾンビに向けたものだ。百合の質問は目の前の光景により掻き消される。
「貴方、、、死んでます、、、?」
勿論ゾンビの存在がバレてしまった。どう誤魔化そうか、いっそのこと死んだ判定にしようか、、
いや、いつかは話さなければならないことだ。いっそのこと自身が質問されるより先に話そうが構わないだろう。そう開き直ることにした。
「え?、、え?ああこの人?生きてるよ?ゾンビだけど」
その瞬間男の頭の中には理解し難いことが浮かんでくる。目の前の女性は横のゾンビを信頼している。ゾンビは表情が動かず、話さないため何一つ感情が読み取れないが、男の脳内が彼らを異常者か何かだと言いだす。
「貴女、、」
「百合です」
「百合さん、彼は人を襲わないんですか、、、?」
「うん、一様今はマウスピースしてるけど、多分血を飲ませたらしばらく噛もうとしないよ。」
そう言われ少し唖然していた男だが、この状況を受け入れる考えに変えていった。
「そうでしたか。百合さん、彼のお名前はご存じですか?」
「ううん。それ以前に会話できないんだよ。呻き声みたいなのは聴こえるけど。」
すると男は残念そうな顔をしてゆっくりと琉導の目の前へ来てゆっくり片膝を下ろし、百合にも目線を送る。
「初めまして。肉丸 葉吏と申します。葉吏くんで構いませんよ。」
「よろしく、葉吏くん」
「(よろしく、葉吏くん)」
琉導のみ言葉が重なっていたのがわかる。琉導は挨拶がてら首を小さく縦に振った。
それを見て葉吏は嬉しそうに笑う。
「貴方たち。これからよろしくお願いします。」
「よろしくね」
「(よろしく。敬語じゃなくてもいいんだけどな)」
そうして挨拶を交わすと後ろにいた人たちがゾロゾロ近づいてくる。
葉吏はその一人一人を観察し、現状を理解する。
恐らく警戒がまだ少し残っている原因は葉吏には勿論、半分程度はゾンビにあり、百合という女性しか安全と思っていない。このままでは精神的な疲弊が加速すると考え、ゾンビの対応に困る。
「葉吏くんは力仕事できるか?運ぶもんがあるんだ。」
「あまり自信はありませんが、滞在させてくれる恩義を少しでも返せるなら。」
そう言って物を運びに葉吏は暗い奥へ進んだ。
その間、ことさんの後ろにいる人たちがこちらを見ながら耳打ちしていた。
警戒されないわけがないと割り切ってはいたが、琉導は不安定な自身を悔しく、残念に感じている。
「ことさん、」
後ろからことさんに声をかける者がいた。三十代あたりの少し細身の人だ。
「俺たちはまだここに居たい。できれば少し離れたコンビニに食料でも確保しないともう数日も過ごせるかわからない。」
「、、そうだな、明日行く人を決めよう。」
そのことさんの決断に早速声を上げる人がいた。
「それなんだけど、そこの百合さんと今きた葉吏くんに行かせたほうがいいと思う。彼らの行動力なら俺たちより何があっても大丈夫だ。」
そう言ったのは先ほど耳打ちをしていた人だ。
その言葉は近くの百合、琉導にも届く。百合は責任感があり、行くことを躊躇わない、と言わんばかりの顔だ。
だが、琉導は少し不安だ。今まで共にいた百合と離れるとたちまち暴走の不安が色濃くなっていく。それでも今まで支えてもらった人に依存するのは良くない。黙って見送るが吉だ。
そう話していると葉吏が戻ってきた。わかりやすくへとへとで、今にでも疲れたと言いそうな顔である。
全員が集まったことで先程の会話を共有する。百合はついでにこの謎のゾンビのことをいろいろと話していた。
これに関しては葉吏も同意したため、明日を待つことにした。
「そういえば葉吏くんってなんでスーツなの?」
「あ、この服は執事をしていたときのものです。今はホスト、メンタリスト、ジャーナリストといろいろな職業を転々と、、」
「そんなにいろいろと!?」
「(メンタリストは職業じゃねぇだろ)」
葉吏は敬語を年齢が近いはずなのだが辞めることはない。そういう職業が多かっただけだろう。ただ、一人称が『ボク』なのは少々どうなのかと思うが、、
でも驚くことに、葉吏は琉導に対し警戒の視線は向けなかった。不思議で可哀想だと言わんばかりの目でよく見つめてくる。
やがて夜が来た。
百合は昨日と同じくぐっすりだ。琉導に血を飲ませてからすぐ寝る為まだ安心ではあるものの他の人は交代で警戒しながら睨んでくる。
「(俺も寝れればなぁ。睡魔とかそういうの無いのがなぁ。退屈でしょうがない。)」
しかし今日は違った。横にはコップとコーヒーを持ってきた葉吏がいた。ここにくる前から持っていたのだろう。
葉吏はコップを置いてパイプ椅子を運んで座り、足を組んだ。
「あ、手が動かないんでしたね。、、コーヒーはいかがですか?手伝いますよ。」
「(飲、、いや、別に飲まなくてもいいんだよなこの体質。)」
琉導はゆっくり肩を横に振り、首を横に振る。少し葉吏は頭がハテナになっていたがすぐ理解した。
「そうですか。ではこれはボクが。」
そう言ってゆっくり飲み始める葉吏だが、琉導がこちらを見ているのに気がつく。
「おや?どうしたんですか?、、、ボク、人の顔を見るとある程度感情がわかるんですが、貴方からは何も読み取れません。目も、表情も、言葉もなく、読み取るには微かな動きを捉えるしかありません。テレパシーでも使えればいいのですがね。」
葉吏はコーヒーを飲み干して立ち上がり、琉導の近くにいた百合の布団をかけ直した。どうやら寝返りしていたらしい。
「なんで寝ないの、などとお思いですか?別にキャンプセットが嫌というわけではありませんよ。元々の仕事の都合上、夜の方が得意なんです。まあ3時間程度は寝ますよ。」
「(しれっと心読まれたんだけど。何こいつ。)」
「少し、話をします。貴方の耳が正常かは知らないので独り言かもしれませんが。」
葉吏は琉導の横にパイプ椅子を運び、座りながら月明かりで照らされた出入口を見つめた。
「ボク、昨日までは執事としてここから離れた屋敷に仕えていました。やっと手に入れた素晴らしい職だと素直に喜んでいました。しかし、そんなボクを許さないと言わんばかりにゾンビが発生。それからは執事というより警護をしている感じでした。」
ーーー葉吏は屋敷でさなざまな対策を行っていた。玄関口は鍵をつけた上で業者を呼び、上れそうな場所含め全て溶接した。万が一の脱出経路は裏口の車庫を用意し、車の準備もした。
最後に警備員をと思い、警察を呼ぼうとしたが、動いてくれない。というよりもう目の前のことで手一杯のようだった。明日にはゾンビが日本に来るんじゃないかと言われていたからだろう。
そうしてゾンビがやってきた。対策はバッチリなはずだった。だが、よじ登ってきたゾンビが一人現れた。どうやら他のゾンビを足場にしたようだ。
「、、っご主人様!ご家族を集めて逃げる準備を!知性のあるゾンビが紛れています!」
しかし主人は微動だにせず、ゆっくりと紅茶を飲んでいる。そして葉吏の方を向いて一言、、
「それがどうした。」
その言葉に耳を疑った。彼は、彼らは冷静というより無頓着だ。自身は死なないという確信がないこの世で警戒を捨てた存在。言葉を慎まず言うなら救出不可のマヌケだ。
「、、、じきにここも突破されるかもしれません。私は先ほど見たゾンビを退治しておきます。」
そう言って外に出た次の瞬間、主人の横の大きな窓からガラスを打ち砕き、ゾンビが入ってきた。
葉吏は戻ろうとするがゾンビが一体立ちはだかる。一か八かで心臓を狙い、刺すと的中。
急いで主人の元へ行くが既にゾンビ化。横にいた婦人も同様にだ。
だが、二階には彼らの娘がいる。彼女の救出をするため二階へ駆け出す。
「はっ、はっ、お嬢様!今すぐ逃げましょう!ここは危険です!ご両親様も先ほど、、」
この娘さんも呑気なものだが、主人らよりは理解が速く、恐怖の感情が伝わるのを感じる。
「え、、?パパとママが、、?」
娘さんは少し現実を受け入れれないようだ。まだ小さい子供なのだ。仕方がない。それを知っているからこそ助けなくてはならない。
「、、、ふぅ、、。いいです?もう、貴女しか逃げれる人がいません。私が同行しますのでどうか、決断してください。」
彼女は慌てているような顔だ。でもわかる。彼女は両親の死を伝えられたようなもので、絶望しているのだろう。
それに葉吏から即決断を求められているのだ。無理はない。
「、、貴方だけ出ていって。」
「、、、、、え?」
葉吏は目を丸くする。それは予想を遥かに超えた発言だった。一瞬この場の時が止まるかと思うほどの理解し難い言葉。
「だから、貴方だけでここから出て!」
「しかし、、」
「いいから!それともこう言われたいの?貴方は執事のくせに主人達を見殺しにした!ちょっと前に来たばかりの執事のくせに!そんな人に従うわけないでしょ!だから出ていって!」
その言葉は葉吏に深く刺さった。でもその言葉は本心ではなかった。彼女からは生きる希望がないように見えた。
彼女はここの家や庭から出たことが少ない。ここから出ても生きられないと思ったのだろう。そう思うほど、世の中を知らない間に世界が地獄に変えられていたのだから。だが、執事として引き下がれなかった。
「確かに事実です。しかしまだ守るべきお方がいます!私が守ります、手を。」
彼女は泣きながら手を後ろに隠した。行かない決断は変わらないのだろう。彼女の瞳には涙があれど、葉吏は引き下がろうとする自身の心に逆らえなかった。
「、、っっ。失礼、、しました。」
そう言って階段を急いで降りた。下にいたゾンビを元両親は足のみ、もう一体はダッシュで葉吏を襲いに来たが先に刃物で心臓を貫いた。
顔は冷静さがあるというよりも無になってしまったように見える。彼は迷いと格闘していた。生きるを選択してしまった自身が悔しくてたまらないのだ。
葉吏は主人の部屋に無防備に棚の中にしまわれている車のキーを取り出し、裏口へ走った。
何回も振り返った。何回も何回も何回も、彼女が来ていないかをずっと、、、
気がつけば車で走っていた。荒廃した道路や建物が葉吏の頭を再度曇らせようとしてくる。
葉吏には必死さも不安も欲も焦燥も希望もない。ただ、無力感に潰されていた。頭が空っぽになった時、車はパンクした。ーーーー
「それからは死のうと思いました。でも生きたいという気持ちが勝ってしまいました。そしたらここへ辿り着いて今に至ります。パンクした後にゾンビに出会わなかったのは奇跡ですね。」
辛い顔はしているかも見せてくれない。ただ、見せたくない顔をしているかもしれない。琉導は葉吏と共に外の光を眺めた。光は話を始める時よりも薄く、葉吏の黒服が保護色になりかけていた。
気が付けば朝になっていた。ぼーっとしていたらしい。光がうっすらと見える。葉吏もまだ寝ている。誰も起きていない朝に、琉導は外へ出たくなった。
「(あれ、なんで俺、こんなに開放感が、、ダメだ。俺は出れない。今日出るのは百合と葉吏くんだ。)」
しばらくしてみんなが起き始めた。そして支度を始め、百合は少し寝ぼけた顔で琉導の口に血を注ぐ。
「じゃあみんな行ってくるね。安全にしててねー。」
「では、行ってまいります。皆さんも強盗等にお気をつけて。」
そして二人は出ていった。少し孤独感はあるがいつもの夜と同じだ。ゆっくりしておこう。そう考えて腕を少し上げて手を振ろうとした。
百合と葉吏は少し時間をかけてようやく食べ物の残っているコンビニを見つけた。
ここで二人は食べ物などを漁ることにした。
「うぅ、やっぱり腐っちゃってるの多いなぁ。葉吏くん、そっちはど、、」
百合が葉吏の方を見ると葉吏はタバコを手にしようとしていた。
「ちょぉぉぉい!何取ってるの!?」
「いいじゃないですか。」
「よくないよ!?」
「別に使いきれない命じゃないですか。やったことのないこともやりますよ。」
葉吏はこれからの未来を見ない。ただ今を楽しみ尽くしたいだけだ。過去は見たくないものばかり、避けてしまったものばかりだ。生きれるのは今のみだ。
葉吏はタバコを手に取り、近くにあったライターで火をつけ、吸ってみた。
「ゴホッ、ガハッ、ゲホッ」
「タバコ向いてないよ葉吏くん。」
タバコの火を消した後、二人は両手にしっかり大量の食料や飲料などを手にし、帰ることにした。
「いや〜、大収穫だね。葉吏く、、」
葉吏は百合のそばを歩いていなかった。立ち止まっていた。そして、悲しい顔をして百合を見た。
「、、帰るのは、辞めませんか。百合さん。」
「、、え?」
一方その頃、琉導は残った人々に囲まれていた。チラッと奥の方を見ると、ことさんとマーシーさんが頭を抱えている。
「お前、大人しく捕まれよ。」
そうして一人の男が琉導を捕える。琉導は動かない。こうなりそうな視線を感じていたのは事実だ。警戒されてたのも仕方ない。
「(ことさんとマーシーさんは納得はしてはいないだろうな。まあ多数決で決めたかなんかって感じかな。いずれ追い出されるとは思ってたよそりゃあ。)」
だが、そんな思いとは裏腹に、人々は裏部屋にあるもう一部屋に放り投げられた。じっと待っていると布を持ってきて手を縛られ、吊るされた。
「なあ、お前、ここでゆっくりして俺たちのことを食べようとしてたんだよな。こんなに獲物があるんだもんな。ゆっくり待っててもいつでも食えるもんな!」
「お前がいるせいで毎日が不安なんだよ!早く出ていってほしかったよ!」
「こんなマウスピースだけで俺たちが噛まれないって保証がどこにある!」
男一人がマウスピースを取り、投げ捨てた。
「助けてもらうときに噛みつけばいい。あのガキどもに。」
それからも口々に罵声を大量に浴びせ、全員外へ出ていった。ついでに鍵が閉まる音も聞こえた。
「(まあ、仕方ない。いつか解放してもらえるだろ。百合たちは大丈夫かなぁ。)」
「ですので、帰らないほうがいいです。」
「なんで、私はゾンビの人といなきゃ、、」
「それはいいことですよ。しかし、他にいた彼ら、彼らから殺意を感じました。逃げましょう!あのゾンビの彼はもう何かされた後かもしれないじゃないですか、、!」
葉吏の感じた殺意は確かだった。百合と一緒に出て行くとき、チラッと見た彼らから感じ取れた。その悍ましい感情が、葉吏の背筋を凍らせていた。
だが、そんなことは百合には関係ない。百合は既に走り出していた。
「待ってください!ここまで来るのに結構な時間がかかっています!走ってももう間に合わないはずです!それに、百合さんも、、」
「だからそれが何!行かないと行けない理由にはならないでしょ!」
その言葉を受け、少し考えた葉吏は顔を上に上げて、深呼吸した後、走り出した。




