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しがないただの商人です。~借金1000万オーバーのガールズバーオーナー異世界転生~  作者: 憂記ュゥ


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9/12

未知との遭遇!?

崩れた橋を前に、俺は少し考えた。


フィアと出会う前。


一度だけ森の修復に成功したことを思い出す。


「ちょっと試したいことがあるんで、みんな下がってもらえますか?」


そう言って俺は橋へ向かって両手を向けた。


「ヒール!」


淡い光が橋を包み込む。


すると、手前側で折れていた橋脚の一部がゆっくりと元の形へ戻っていった。


だが――


それ以外は何も起こらない。


「あれ?」


『貴様、今何をした!?』


ガルドが目を見開く。


「成功したと思ったんやけどなぁ。」


「いや、魔法で直せたりせんかなーと思いまして。」


『そんなことが可能なのか!?』


俺は崩れた橋を見ながら少し考える。


修復自体は可能。


実際、橋脚は元に戻った。


だが橋の本体は違う。


周囲を見回しても橋の破片らしき物は見当たらない。


「……そういうことか。」


『貴様、何を一人でブツブツ言っている。』


『質問に答えろ。』


「あっ、そうでしたね。」


俺は頭を掻いた。


「厳密には修復できます。」


「例えば剣が折れる。」


「折れた剣が目の前にあれば元に戻せる。」


「でも半分無くなってたら無理なんですよ。」


「無い物までは作れないんで。」


「まぁ、そんな感じですね。」


『やはり貴様の考えは異常だ。』


『魔法で壊れた物を修復するなど聞いたことがない。』


「あれ!? そうなんですか!?」


『当たり前だ。』


『鍛冶師が何のためにいると思っている。』


鍛冶師か。


確かに言われてみればそうだ。


「それは新しい物を作るためとかじゃ……?」


『修理も鍛冶師の仕事だ。』


『貴様、本当に世間知らずだな。』


ガルドに呆れた目を向けられる。


なんか最近この視線にも慣れてきた気がする。


『だが。』


ガルドが崩れた橋へ視線を向ける。


『今の話が本当なら、この橋も材料さえあれば魔法で直せるということか?』


「まぁ理論上はそーなりますかねー。」


「実際に修復は出来ても作るってやったことないんで分からないですけど。」


『理論上……。』


ガルドが眉をひそめる。


どうやら俺の適当な説明はあまり信用されていないらしい。


まぁ俺も自信ないしな。


「でも一つ分かったことはあります。」


『何だ。』


「橋を直すなら、まずは材料探しですね。」


「使えそうな物がないか探しましょう。」


そして俺は辺りを見渡した。


森林。


川。


そして奥の方には洞窟が見える。


「まずはあの洞窟に向かいましょうか!」


こうして俺達は洞窟に向かう事になった。


洞窟は木々を抜け、川を渡った先にあった。


橋から歩いて十分ほどの場所だ。


入口は大人三人が並んで通れるくらいの大きさだった。


「思ったよりデカいな。」


『こんな大きな洞窟がこんな所にあったとは。』


『魔獣や魔物の巣かもしれん。』


『警戒を怠るなよ。』


そう言ってガルドを先頭に少しずつ奥へと進んでいく。


『ガルド!あのキラキラしてるの何かな?』


『あれは鉱石のようだな。』


「ちょっと待ってくれ!」


そう言って俺は岩肌から顔を覗かせた鉱石を素手で掘り出そうとした。


「さすがに手では無理か。」


そう言って右手を鉱石にかざす。


んー。なんて言うのが正解や?


まぁこんなんでいけるやろ。


「分解!」


岩肌がさらさらと砂のように崩れ落ちる。


すると埋まっていた鉱石が足元へ転がった。


『お兄ちゃん、それ何の魔法?』


『変わった魔法だな。』


『マインと似ているが、少し違うようにも見える。』


やべー。


マインって言うんか。


この世界の魔法知らんって。


てか待て。


ヒールは合ってたんか?


そこ突っ込まれんかったけど。


「あっ…親父から教えてもらった魔法やから。」


そう言いながら俺は足元の鉱石を拾い上げた。


『マインは砕く魔法だ。』


『だが今のは砕いたというより、崩したと言った方が近いな。』


「いやー、そこなんですよ!」


「マインだと飛び散るかもしれないじゃないですか!」


「せっかく鉱石を掘り出すのに傷付けたら勿体ないでしょ?」


『鉱石を傷付けないために魔法を作ったのか?』


「作ったっていうか、親父が使ってたのを教えてもらっただけですよ。」


そう答えながら手の中の鉱石を眺める。


ピーピピッ。


【鉄鉱石】

鉄の成分を多く含んだ鉱石。

武器や防具の加工に利用される。


『変なやつだ。』


「まぁ俺の親父、変人だったんで。」


『それは先日も聞いた。』


「あれ!?言いましたっけ?」


全く覚えがない。


たぶん酔ってた時に焦って口にしとったんやろな。


覚えとかんと墓穴掘りそうや。


「それにしてもこの洞窟鉄鉱石あるんですね!」


『本当に鉄鉱石なのか?』


『見せてみろ。』


鉄鉱石をガルドに渡す。


『ふむ。』


『随分と純度の高い鉄鉱石のようだ。』


そんな純度高いんか!


ほな周りにもあるんちゃうか?


そう思い周囲へ視線を向けた。


ピーピピッ。


【鉄鉱石】

【黒曜石】

【石灰岩】

【珪石】

【石炭】


次々と鉱石の情報が頭に流れてくる。


【魔性石】

【ミスリル鉱石】

【オリハルコン】

【アダマンタイト】

【ヒヒイロカネ】


聞いたことのない鉱石まで頭に流れてきた。


なんかここ、とんでもない鉱脈なんちゃうか?


「これ、鉱山なんちゃう?」


『ガルドー!お兄ちゃーん!』


『こっちもいっぱいキラキラしてるよー!』


『恐らくそのようだな。』


その後も俺たちは鉱山を探索した。


ある程度探索し、安全を確認した俺たちは鉱山を後にした。


「さっきの鉱山の物資は使えそうだな!」


『俺たちの技術じゃ鉄で橋なんて作れぬぞ?』


「まぁ見とけって!」


「とりあえず次は川の方調査しよか!」


そうして俺たちは川周辺の捜索を始めた。


『お兄ちゃんも遊ぼー!』


川周辺を捜索している間、フィアは一人川で遊んでいた。


『おい!離れると危ないから大人しくしなさい!』


『大丈夫だよ!みんなの近くにはいるもん!』


『それよりちょっと休憩しよーよー!』


そんな中、俺はあるものを見つけた。


それは大きな容器だった。


ドラム缶風呂が作れそうな大きさの寸胴のような容器。


「おー!これ使えるやん!」


とても軽い。


プラスチックのようだ。


『こんなものを何に使うんだ?』


「まぁまぁ!後のお楽しみということで!」


「それよりこんな容器が他にもないか探して欲しい!」


『お兄ちゃん!これはー?』


それは少し小さいバケツのようなものだった。


「おー!まぁ使えそうやな!」


「よくやった!フィア!偉いぞー!」


『えへへへへ。』


いくつか容器も見つけた俺たちは森林に向かった。


「後は木材だけなんだよなー。」


『木など困らんだろう。山程ある。』


「それはそーやねんけど、木が太すぎるし。」


「どーやって切る?」


『まぁ確かに切るのは大変だが、切れなくは無いぞ?』


「そんな何日も橋作るのに時間かけてられへんやろ?」


『確かに切羽詰まってる状況だが。』


森林を散策しながら切れそうな大きさの木を探す。


「なかなか手頃な木は無いなぁ。」


異世界のものは現世と似ていても俺の知ってるそれとは訳が違う。


異常に大きかったり、小さかったり。


もちろん見たことのないものも沢山ある。


そうして探索を続けていると――


ガサッ――


近くの茂みが大きく揺れる。


『止まれ。』


ガルドの声が低くなる。


空気が一変した。


『全員武器を構えろ。』


『フィアは後ろの方に下がって隠れてるんだ!』


俺だけ状況が飲み込めていない。


「え?」


次の瞬間――


バキンッ


ズダドドドドッ


ゴオオオオオオォッ


周囲が影に覆われた。


そう。


巨大な木が倒れてきたのだ。


「やばい!逃げろ!」


倒れてきた木を避けて左右に散った俺たちは、目の前にとんでもないものを見ることになる。


見上げるほどの巨大な影だ。


「何やねんコイツ!?」

ここまで読んでいただきありがとうございます!


橋を見て、


鉱山を見つけて、


容器を拾って、


木材を探していたら――


なんかデカいの出てきました。


次回、翔斗初のまともな戦闘(予定)です。


面白いと思っていただけましたら、


評価していただけると励みになります!


それではまた次回!

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