表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/15

8話

「うーん、パスタか…」

私がパスタがいいと言った瞬間、凪沙さんが悩み出したので、慌ててフォローする。

「あ、あの、私、パスタって言うかイタリアン?全般ならなんでも…その、ピザとかでもいいですし」

「あ、ううん。タコパの気分だったんだけど、カルボもいいなって」

「あ、そうですか」

なんとなく、心配して損した気がする。

今のところ、案としてはタコパ(たこ焼き)、ハンバーグ、イタリアンの3つだ。

「…じゃあ、あの、こうするのはどうでしょう?」

全員が私の方を見る。

私は、視線に気圧されそうになりながらも、自分が考えた結論について話した。


「たこ焼きパーティーはそのままで、ピザはスーパーで売ってるやつを、ハンバーグは少しづつ作れば…たぶん、大丈夫…かな、と」

結論だけを言えば、全部やればいい、なんだけど。

微妙、だったかな…。

しばらくの沈黙が痛い。

やっぱり、全部なんて無理があったんだ。

そう、思っていたけど。

「いいじゃん!」

凪沙さんは声をあげて立ち上がった。

「あ、や、私はピザパでもいい。なんならピザパがいい。で、端っこの方でたこ焼き焼いて、ハンバーグも作っちゃえばいい。あたし、スーパーのピザをアレンジするの得意なんだ」

私の案は意外と好評だった。

それが分かった瞬間、肩の力が抜ける。

「ね、凌も悠もそれでいいよね?」

疑問符がついてはいるけど、強制感が半端ない。

それでも、2人とも快く頷いてくれた。

「じゃあ、スーパーへレッツゴー!」

凪沙さんは、腕をグーにして、上に高く揚げた。

(意外と、楽しくやってけるかも)

自然と、口角が上がった。


「ってことでだいさん、連れてって」

「はいはい。誰かナビよろしく」

大山さんは、車の鍵を取りだしてゆっくりと立ち上がった。

「じゃあ、凌よろしく」

「俺ですか」

凪砂さんに指名され、凌さんが声をあげる。

すかさず、大山さんがツッコむ。

「僕の隣は嫌かい?」

「いや、そんなことは…」

「はは、冗談だよ」

冗談に聞こえない。

大山さんの車は、家の庭を奥に進んだガレージの方にあった。

運転席に大山さん、助手席に凌さん、真ん中の左の席に凪沙さん、その隣に私、そして後部座席の右側に、つまり私の後ろに悠くんが座った。

買い出しも、全員で行かされるらしい。

大山さんの車からは、新車の匂いがした。

大山さんは、怒ると怖い。だから、運転も荒いんだと思っていた。

(やばい…眠い…)

スーパーまでは結構遠いらしく、まだ着く気配がない。

そして、穏やかで緩やかな安全運転のおかげで、瞼がくっつきそうなのだ。

「そこ右っす」

凌さんのナビの声が少し遠い。

寝てしまわないように窓の外を睨む。

「桜さん」

大山さんに話しかけられて、文字通り肩が飛び上がる。

「っはい」

「後ろ、見てみな」

言われた通り後ろを見てみると、悠くんの目は閉じられていた。

「あと、左も」

視線を左に移すと、ものすごい体制で寝ている凪沙さんがいた。

「あと少しで着くけど、着いたら教えるから」

「…はい」

お言葉に甘えて、目をつぶることにした。

静かな走行音だけが、聞こえた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ