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15話 教会


クルルル クルルル


ヒカリバトの鳴き声で目が覚める。


「ううーん…。」


ベッドの上で寝ころんだまま大きく伸びをした。


窓から空を見るとまだ少し薄暗い。


日が完全に昇る前のようだ。


背中が少し汗ばんでいる。


体を拭くために一階の水場に向かう。


まだ起きている人はいないのか誰とも会うことはなく水場までついた。


水場は半個室のようになっていた。


井戸から水を桶に移して部屋の一つ移動した。


水にタオルをつけて濡らす。


日がまだ昇っていないとはいえ、夏なので気温が高く冷たいタオルが気持ちいい。


体を拭き終わって水を流す。


お風呂に行く前に服も買いに行かないと。


そんなことを思いながら水場を出ると、食堂のほうからいい匂いが漂ってきた。


食堂に向かうとちょうどグレーテさんがパン窯からパンを取り出すところだった。



「おはようございます。」


「ああ、おはようね。」


そう言って私のほうを見て固まるグレーテさん。


毎回思うけど、私の顔には時間を止める魔法でもかかっているのだろうか?


「これは想像以上だね…。うちの宿に男どもがいなくてよかったよ。」


しばらくグレーテさんは私の顔をまじまじと見てそういった。


「ローブを被ってて正解さね。冒険者の男どもには猛毒だよ。」


「???」


「まず間違いなく絡まれるよ、あんた。」


「しばらくローブを被ってます。」


「そうしたほうが賢明さね。」



うーん。ただずっとローブを被るのもめんどくさい。


そのうちなんとかしよう。



「おっとそれよりも朝食を食べてきな。今パンが焼けたとこだよ。」


「ありがとうございます。」


そう言ってパンを受け取る。



席に座ってパンを頬張る。


やっぱり美味しい。


「やっぱりうちの宿でもダメかもね…。」


そうグレーテさんが呟くのが聞こえた。


「何がです?」


「こっちの話さ。」


そうグレーテさんは苦い笑みを浮かべながら言った。





朝食を食べ終えて部屋に戻ると日は完全に昇っていた。



ローブを被って宿の外に出る。


冒険者ギルドはまだ開いていないだろう。


それまで何をしていようか?


昨日の探索の続きでもしようかな。


人通りもまばらな通りを進んでいく。


城の方向に進んでいくと景観が変わってきた。


今までは小さな建物や店が並んでいたが、城に近づいていくにつれて大きな建物が増えてきた。


貴族や有力な商人の家なのだろう。


大きな門を構えて門の前には警備らしき人がいる。


しばらく進んでいると噴水のある広場にでた。


広場を大通りの通りに進んでいくと大きい教会があった。


もう歩いてだいぶたったからだろうか?


人がどんどん多くなってきた。


私は何かに惹かれるように教会に入った。


ステンドグラスが床に虹色の光を映している。


教会というにはあまりにも豪華で大きい。


奥には三体の像がおいてある。


真ん中の像がネリアだろうか?


じっと眺めていると不意に話しかけられた。


「お祈りですか?」


声をかけられた方を振り向くと白に金糸の刺繍があしらわれた修道服を着た壮年の女性が立っていた。


「ええ、まあ。」


そう答える。


「ルクシア大聖堂に来るのは初めてですか?」


「はい。」


「説明は必要でしょうか?」


せっかく説明してくれるのなら聞いておこうか。


「それじゃあ、お願いします。」



「そうですか。それでは説明させていただきます。ここでは三柱の女神をお祀りしています。真ん中が女神ネリア像、右が女神アクス像、そして左が女神セレス像になっています。」


ネリア像は太陽のペンダントをかけ、アクス像は月のイヤリングをつけ、セレス像は背中に翼と星の模様があしらわれた剣を掲げている。


「ネリア様は太陽と創造の女神として聖女に、アクス様は月と魔術の女神として賢者に、セレス様は星と戦いの女神として勇者にそれぞれ役割を引き継いで眠りについたと言われています。」



「セレス像にだけ翼が生えてるのはなぜです?」



「あら、いいところに気がつきますね。」


そう言って彼女は微笑む。


「彼女は戦う時に翼を出して戦ったそうです。ですから翼と剣は勇者のシンボルにもなっているのですよ。」


「なるほど。」


「お仕事は何かなさってますか?」


「一応冒険者ですかね?」


まだ冒険者証は貰っていないけど。


「それならばセレス様に祈りを捧げるのがいいかもしれませんね。」


そう言ってまた微笑む。


「そうしてみます。」


「はい、また気が向いたらお越しください。」


そう言って彼女はゆっくり去っていった。



とりあえず言われた通りセレス像に祈っておこうか。




教会を出ると人通りがさらに多く賑わっていた。


流石にそろそろ冒険者ギルドもやっているだろう。


そう思い、私は冒険者ギルドに向かって歩きだした。



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