表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/26

スライム&ナポリタン (中編) ぐうたらの日常

シキは乱雑に積まれたゴミ袋を横目にしつつ、

壁にへばりついているぬるたろをぼんやり見上げた。

「……ぬるたろ。お前が可愛いからゴミ出すの忘れただろ」

部屋の壁にべったり張り付いていた半透明の青いスライムが、

ぷるぷるっと震えた。「ちゃむ。」


シキは起き上がり、壁からぬるたろをゆっくりと引きはがした。

ぺりぺりぺりぺり。。ちゅぽんっ

「にゅるりっ!?」そのまま両手で抱き上げ、ぎゅううっと胸に押し付ける。

頰ずりしたり、指でぷにぷに揉んだり、腹の上に載せて転がしたりと、

朝の推し活をとりあえず堪能した。

「ん~……ぬるぬる~冷える♡……今日ももやばかわ……」

ぬるたろは少し困惑したように全身を震わせる。

「……ちゃむ……? にゅる?」

「うるさい。推しに癒されてるんだから黙ってろ」

十分に、でも優しくぬるぬるを味わったシキは、ぬるたろをそっとスライムハウスに置いた。

「よし、次は歯磨き……さて、どんな顔だ。あたし。

鏡を見ると、頰と前髪中心にほぼ上半身がテカテカに光っている。

これは割と人には見せられない。


「ぬるたろ、あたしが寝てる時にお前また舐めただろ」

「……」 

悪戯っぽくぬるたろに絡むいつものやりとり。

「でもあとでちゃんとご褒美あげるからね!シャワーいってくるー。

てかマジ暑い……この部屋」


バスルームに入り、熱いシャワーを頭から浴びる。

さっきの嫌な夢が一瞬よぎった。クソ僧侶…

いや。。すぐに頭を振って追い出した。右手に目を移す。

こないだの依頼時のドタバタの受傷…大方治癒したが、まだ軽い痣になっている。

色沈やだな。それも魔術で治すか。。やってらんね。

髪と顔のぬるぬるをしっかり落とし、シャワーの中で歯磨きも雑に済ませる。

タオルで体を拭きながらリビングに戻ると、ベッドの上ではぬるたろが

スライムチュールを勝手に全身に塗りたくって幸せそうに転がっていた。

「にゅるるる~……♪ ちゃむ♡」

「あ …ぬるたろずる~い」


その時、携帯が激しく通知を鳴らし始めた。

近づいた瞬間——ピカッ!強制ホログラム投影が発動。

探偵風のくたびれたおっさんが徐々に拡大しながら映し出される。

若干キモいし、第一脂ぎったナポリタンを上品とはいえない姿勢で食いながら

こっちを見て上目遣いでニヤニヤしてる。。


「は??? おっさん!? まじやめとけ! ていうか今やば……裸!!!」

シキは慌ててタオルを胸の前で押さえた。

おっさんは構わずダミ声で言う。「おいシキ!いいから依頼受けろ! 

16時に事務所に顔出せよ? それから服くらい着ろ。じゃな。」

「てめ!・・この変態親父!!」

シキが叫びかけた瞬間、プツン。ホログラムは一方的に切れた。

シキは一瞬立ち尽くした。「……ないわ」


ベッドの上ではぬるたろが、状況を理解していない様子で首を傾げていた。

「ちゃむ……?」 

(続く)


挿絵(By みてみん)












シキが叫ぶ予定だった内容:


「……は? ちょっと待てよこのクソジジイ! 裸の女にホログラム飛ばしてきて『4時までに来い』だと? 性欲処理の道具かと思ってんのかよこの腐れ老害! 次やったらマジでエクソスーツで潰すからな、死ねボケ!!それからな 以下略」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ