スライム&ナポリタン (前編)スライムガール
中世……いや、それよりもっと古い時代の戦場だった。
黒く腐りかけた荒れた大地に、血と泥が混じった生臭さが鼻を突く。
突然、肩に鈍い痛みが走る。矢だ。
「……ってええ!まじでいてえ……」
馬のいななきと、形容しがたい気持ち悪い喚声が響き渡る。
……くそ……! 逃げなきゃ……。
周囲から小汚いMOB兵士たちが、どっと群がってくる。
腐った肉が剝がれ落ち、骨が覗く体で眼球は完全にない。おまけに、容赦なく剣や斧をスカスカな空中で振り回してくる。
下からも沸いて這い寄ってくる。
まるで死体が生きているような匂いと無慈悲なゾンビっぷり。
体がめちゃくちゃ重い。脚が浮く。逃げ場がない。
奥の方には、僧侶のような影と古びた教会のシルエット。
全員の目が……本当に真っ黒で。。。奥の僧侶の身長が徐々に伸びてさらにやばくなる。手がいっぱい生えてくる。ほんとうにいっぱい生えてくる!
おいおいおいおい……なんだよあれ……。
「???????????????……っううううぜええええあああああああ……黒い奴は死ね死ね死ね死ね死ね・・」
・・・・・・・・ちょ
・・・・・・・しね
・・・・・っ
・・・
・・
・
・・なんだ、夢 ……か。
シキは自室のベッドでゆっくり目を覚ました。
顔がとろとろになっている。
てとろとろで目が明かない……。
口の中が甘い……。草。
(……またあの夢か)
携帯を探しながら漠然と状況を考える。
きっとぬるたろの仕業だな。あいつはどこに……。
「あ……ぬる……?」
視線を上げると、壁にへばりついて微動だにしている…じゃなかった 微動だにしない半透明の物体を発見した。
「あ、いた。おはよー、ぷりちー♡ いつ起きたん?♡」
「何時だ? ぬるたろー、ねー時間何時~?」
ぬるたろがなんかレインボーなちょこんとした目を輝かせながら反応。
ちゃむ? ぬちゃ~~~♡
だめだ……硬くてそれっぽいものを手探りで発見済み。自分で携帯を見る。14時半。なんか通知がいっぱい。
とりあえず起きなきゃ……頭いてえし、部屋が暑い。第一ぬるぬるだ。
だるそうに起き上がりながら無造作に万年床に携帯を放り投げる。部屋が微妙に臭い。そういやゴミの日だった。。。出しそびれたか。
(続く)




