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龍の巣 (前編)対峙



軍警の一人がAVの端末を操作しながら声を上げた。

軍警A「落下してきた黒いフルボーグの身元確認完了……亜駄夢(アダム)・三島。

ASAKURA(アサクラ)社警務部隊所属、通称:Meat grinder主任執行者……。

これは……厄介な相手だ。」サーチライトの光が微かに揺れた。


他の軍警たちも、亜駄夢(アダム)・三島の名前を聞いてわずかに緊張しているのが伝わってくる。

彼らはプロのリアリストだ。感情を表に出さないが、端末を叩く手の動きがわずかに速くなる。


軍警B(低く、抑揚を抑えて):

「ASAKURAのいぬがここにいる以上、事態は予想以上に面倒だ。

……全機、警戒レベルを上げているな?重エクソスーツとフルボーグ。

迂闊(うかつ)に手を出せば、即座に殲滅される可能性がある。

が、エアフォース(空軍)のスクランブルも待てない 

First Opsの稼働状況はどうか?AIに最善の対応策を提案させろ。」


「併せて北西から重AV3機が接近中。ASAKURAの所属機の模様。

現場直上にステルスモードの不明機も確認。」

空気が一気に張りつめた。


7機のAVの砲塔が微かに動き、亜駄夢を捉えながらも、

容易に撃てないという現実を全員が理解しているのが痛いほど伝わってきた。

周囲の飛行ドローンも少しづつ距離を詰めてくる。


亜駄夢・三島は腕を組んだまま、ニヤリと笑うだけだった。すると——

【緊急上位通信・全機一斉】

「全機に告ぐ。

本事案の管轄権をASAKURA社に移譲する。

日本支部軍事委員より正式認可済み。

即時撤収せよ。繰り返す。即時撤収せよ。」


軍警A(ため息交じりに):

「……了解。管轄権移譲確認。

……チッ、相変わらずASAKURAは都合がいいな。」


サーチライトが一斉に落ち、対峙したまま飛行ドローンの回収をはじめた。

1機また1機と、AVのくぐもったエンジン音が遠ざかっていく。地上ロボットの姿も

見えなくなっている。


軍警部隊は、未練を残しつつも素早く夜空に消えていった。

シキ(まだ這ったまま、呆然と):

「……は??? あいつらがあっさり引き下がりやがった……」

チョビ(淡々とハート目のまま):

「上層部が動いたようだね。……ASAKURA(アサクラ)の力は相変わらずだ。」


亜駄夢・三島は低く笑いながら、重い駆動音で歩みながらゆっくりと

シキに寄った。

「ところで、メス肉。随分と(すさ)んでるな?……荷物は無事か?」


低いエンジン音が遠くから近づいてきた。ドゥゥゥゥン……

黒と赤を基調としたひときわでかいASAKURAの重装AVが3機接近、

1機が滑るように屋上そばでホバリングして接弦した。


機体にはASAKURAの紋章が浮かび、武装が明らかに通常の軍警より重厚だ。

亜駄夢・三島が顎で軽く合図すると、AVの側面ハッチが開き、

黒い重装の護衛隊員が素早く降りてきた。


亜駄夢・三島

「迎えが来たぞ。さっさと乗れ、メス肉。

お前をここで死なせたら、ヤマト様に怒られるからな。」

シキ(護衛隊員に抱えられながら):

「……はあ?軍警とメガコープは随分と相性いいんだな‥‥。

つーかよ。急に手厚くなったな……最初から来いよ…。」


チョビは無言で亜駄夢の隣に立ち、鼻血を拭きながらも目を輝かせていた。

2機のエスコートAVに前後を護衛され、

紅飛龍(チャリ)+機密ケース→シキの順に機内に収容された。

亜駄夢・三島とチョビも同乗し、多少上下しながらも重厚な装甲ドアが閉まる。


プシューーーーーーーカシュッ

(続く)


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