下町クソヤバデスロード (中編)麿をゴボウ抜き
しばらく謎の待たされ方をしてて、なんか夕方まで
パンダ触ったり、串食ったり闘鶏の戦いを見たりで
ダラダラしていた。朝から来た意味ねえだろこれ・・・。
まあ、あちらさんの荷物の受け入れ準備の問題らしい。
その後ランランは多少重そうに…ってなんか
呼吸してるように一定のリズムで収縮してる屋台の奥に回り、
黒光りする機密保護パックを持ってきた。
ASAKURAから事前に送られてきていたやつだろう。
表面に赤い警告マークと「S3LV - Level 7 Restricted」
とデカデカと書かれている。
ランラン(ニッコニコで):あそこにあるハッタ湯って煙突あるだろ~?
あそこは薬草サウナがお勧めでな~?生きてまた来れたら
一緒に行こうよ~♪あたし湿気よわいがなー。
んで!これにガジェット詰めれば完成だよ!」
彼女は躊躇なくパックを開け、ウンコから生まれた
例のガジェットを放り込んだ。その瞬間——カチッ……
パック内部に埋め込まれていた小型核融合セルが赤く発光し、
低く不気味な「ヴゥゥゥン……」という起動音が響いた。
シキの表情が一瞬で固まった。
シキ(やさぐれ声が徐々に死んでいく):「……おい。ちょっと待て。
今、明らかにヤバい爆弾みたいなのが光ったんだけど……?」
ランラン(ケロッとして):
「ふふん♪ ASAKURAのお兄さんが『念のため高出力の安全装置を
付けておいた』って言ってたよ!
爆発しても半径500m程度で収まるらしいから大丈夫だって!
開けなきゃいいだけダよ。」
シキ「……半径500mって、十分死ぬだろ……」
シキはゆっくりとパックを見つめた。
明らかに軍事グレードの超小型核が、
ガジェットを優しく(?)包み込むように光っている。
問題はきっと爆発範囲内の威力だ。。
文字通り跡形もなくなることは間違いない。
ランランが勢いよくパックを占めると複雑なロック音が聞こえた。
テンションがダダ下がりを通り越して、底なし沼レベルまで
落ち込んでいた。
シキはため息を限界まで長く吐き出し、
ランランの怪しいチャリンコの紅飛龍(読めない)の
シートにぐったりと腰を下ろした。
シキ(死んだ目):
「……わかったよ。やるよ。……めんどくせー…やるよ……」
ランラン(元気よく):「大丈夫!シキちゃん頑張てね~!
儲けが出たら肉奢るから!お腹減ってそうだし、
行く前にうちでラーメン食ってからいくか~?」
もういいから…。もう何も聞こえない…。
後ろで水牛が耳をフルンフルンして干し草を美味しそうに頬張っていた。
紅飛龍の反重力炉を低出力で起動させたシキ。
ペダルを漕いでみると。。。
「うお!ちょ。速ひ♡!」
あっという間に120キロに達してひたすらでかい道を直進していく。
とんでもない動力アシストチャリだ。
ペダルは…うん。一応漕ぎ続けないとだめっぽいな。
漕いで漕いで漕いで、馬車や牛車、ロバ。再生バイク、
モヒカンのクルマ、麿の行列をゴボウ抜きだ。
いや…はええな。っぷ。。
埃がばんばん目に入る。ゴーグル無しきっつ!!!
あっという間に過ぎていくのどかな足立区の風景を
尻目に、川に架かるいかつい橋に差し掛かっても
比較的余裕だった。
シキ(やさぐれ余裕気味に):
「……ふん、案外余裕じゃん。ノンチアンには
誰も近づきもしねえみたいだな。草。」
夕方を超えてだんだんと暗くなってきてる。
橋からは空が広く見えるし夕日がちょっと綺麗。。
軍警の国境(笑)ゲートも予めフルオープンにしてあり。。
軍人がさっさと通れと言わんばかりに青ランプをチカチカ光らせてくる。
でかいレールガンもスフィア方向に照準を合わせたままだ。。
ASAKURA社はやっぱ影響力えぐいな。
通過後、軍警の武装AV(デカい空飛ぶクルマ)
がライトを点灯しながら1機ぶっ飛んできてびびったが、
ただ空飛んで付いてくるだけだ…。
どうやら一定の距離から無言でエスコートしてやがるな。。。
これはまさかほんとに楽勝ミッションなパターン???‥‥。ウヒ
しばらくはうっきうきになり、高速チャリドライブを引き続き楽しむ。。
楽し。。
だが普通に甘かった。旧西日暮里を越えた瞬間。
プシュっという乾いた発射音とともに軍警AVに飛翔体が飛んでった‥‥。
ばちょーーーーん。大型の粘着弾?!!
AVは被弾後にそのまま情けなく失速し、ビルの跡に轟音ととも
に派手に突っ込む。
うわ‥‥クッソやば!!!!
前方から大量の笑顔ガスマスクなホログラムが一斉に
点灯して空中を埋め尽くす。
シュコー……シュコー……不気味なマスク越しの呼吸音が風に混じり、合成音声の若いけどキモイ男の声がマックスで響く。
「……スナイルに……捧げよ…………」
(続く)




