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帝国のつくり方  作者: ムックk
建国編
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54/61

54話   新年を全力で祝え!!!!!!!!



 東暦7029年1月1日

 この日、俺達は新たな年を祝っていた。


 「みんな!今年もよろしくな!」


 新年一発目の挨拶、俺が皆の前で言った言葉はそれだった。

 とてもシンプル、しかし、建国一年足らずの国の国王にとって、そのようなシンプルな挨拶のほうがやりやすかったのだ。


 素朴な内装の部屋に、皆の笑い声などが響き渡り、とても穏やかな空間だった。

 しかし、その時に雰囲気をぶち壊すように勢いよく扉が開いた。


 「さてさて!せっかくの新年ですし、お年玉イベントでもやりましょうか!!!!!!」


 そう言って威勢よく突撃してきたのは、ワーグナーとリアルヌだ。

 お年玉、それは、俺の前にいた世界の文化である。

 祖父母や親戚が、1月1日に子供達にお金を与える。

 子どもたちからしたら、最高にハッピーなイベントである。

 無論、俺も正月はお年玉をもらう時が一番楽しかった。


 ワーグナーとリアルヌは、以前に雑談をしていた時にお年玉の存在を教えていたので、お年玉イベントをやるということになったのだ。

 お年玉イベントは、お年玉を巡ってゲームをするイベントである。

 やるゲームは、俺がくじ引きで決めることとなった。


 「それではグレース様、お願いします!!!」


 ワーグナーが、マイクを使い大きな声でそう言った。

 普段は艦隊を指揮する男だが、こういうふざけるときは、盛大にふざけて盛り上げるのだ。


 俺は、くじ引きの箱の中から一枚の紙を無作為に引いた。

 そして、口を開いた。


 「お年玉ゲームの内容は............................................」


 思いっきり貯めて、俺は言った。


 「的あてゲームだ!!!!!!!!!!!!」


 その瞬間、会場が一気に沸いた。

 一国のトップの人間が集まっていたとしても、こういうときは子供みたいに盛り上がるのだ。


 


 「では、まずはガスター様からどうぞ!」


 最初に投げたのは、ガスターだ。

 ガスターは合図を聞いて、的に狙いを定める。

 そして、勢いよく手に持ったボールを投げた。

 するとどうだろう、ガスターの投げたボールは、的どころか壁を突き破ってしまったのだ。


 「どうだ、すごいだろ!」


 ガスターは、ドヤ顔を決めてそう言った。

 そかし、当然ながらこれには、皆ドン引きするしかなかった。

 ガスターの魔法がすごいというところまでは、皆知っていたが、体まで化物みたいに強いのは知らなかったのだ。

 俺も、すっかり忘れていたため、同じようにドン引きした。

 ただ一人、同僚のグライムだけはこう言ったらしい。


 「あのバカ....................................」




 「次に投げるのは、グライム様です!」


 的の修復が終わったところで、次に呼ばれたのはグライムだ。

 ちなみに、ガスターは測定不能ということで、ちゃんと失格になりました.............

 

 グライムは、的を正確に狙い、慎重に投げた。

 するとどうだろう、グライムのボールは壁を突き破ることなく、正確に的のど真ん中へと命中した。

 直後、会場から歓声が上がる。


 「まあ、一応、一兵卒からの叩き上げなもんでね..............」


 グライムは、少しかっこよく決め台詞を吐いて、僅かな自慢をした。




 その後、他の皆もゲームをやっていった。

 皆、俺達が来るまで過酷な環境で生活していたこともあり、かなりの接戦だった。

 だが、ロンメルの番が来た時に事件は起こった。


 「行きますよ!」


 ロンメルは自信満々にボールを投げる。

 しかし、ロンメルは他のメンバーと違って、そういう運動系はあまり得意ではないのだ。

 案の定、ロンメルの手を飛び立ったボールは明後日の方向へ飛んでいった。

 しかも、そのボールは近くにあったテーブルの上に置いてある、酒が入ったグラスに直撃するコースだった。

 だが、その時。


 「止まれ!!!!」


 その声が会場全体に響いたと同時に、グラスに直撃しそうだったボールは、空中でピタリと止まっていた。

 あれは、新年で初めて度肝を抜かれたものだった。

 なんせ、「止まれ!」と言ったのは、カリウスだったのだから。

 おそらく、あの場所にいた皆が度肝を抜かれたと思う。


 「カリウス、いつの間にそんな魔法を習得したんだ......................?」


 俺が質問すると、カリウスは冷静にいつもと変わらない笑顔で答えた。


 「最近、たまたま物を床に落としそうになった時に使えるようになったんですよ...............

 あと、黙っていてすみません..............」 


 たまたま使えるようになった、それは、さらに衝撃を受ける物となった。


 「たまたまって................ どんな感じの魔法なんだ?」


 「動いている物を十秒ほど止めるって感じの魔法ですね..............  まあ、生き物には使えないので、戦闘には向きませんね.............」


 


 その後、なんやかんやありつつもお年玉をめぐる激闘は集結した。


 「では、結果発表です!!!!!!!!!」


 ワーグナーの声に、会場全体の空気が張り詰める。

 そして、ワーグナーの口から結果という言葉の弾丸が放たれた。


 「優勝は、グレース様です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 なんと、優勝したのは俺だったのだ!

 まあ、精密の魔法を使うことができる俺が負けるはずなどないのだがな!

 ちなみに、お年玉は”天然物のサンドアント”だったので、美味しくいただきました!




 パーティがお開きになった後、行政ビルの屋上で、夜空を眺めながら俺はカリウスとともに話していた。


 「来年も同じように新年を祝えるようにしたいな....................」


 すると、カリウスはわずかに微笑みこう言った。

 

 「そうですね......... 平和な一年にしたいものです」


 しかし、東暦7029年はこの国にとって大変な年となる。

 さらに言ってしまえば、その次の東暦7030年は、さらに大変な年となるのだ......................


 

 

平和な回ですが、後に重要になってくるかもしれません.......................

あと、テストが迫っているため、十日ほどおやすみさせていただきます。すみません。

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