53話 運命の年が始まる
東暦7028年12月31日
一年の最後の日、俺達はいろいろやることを終えて、年越しを迎えるパーティーを行っていた。
「あと二時間で今年も終わりか、忙しかったな.........................」
今思い返してみれば、この東暦7028年はいろいろなことがあった。
一年前はなにもない砂漠の惑星、それが科学と魔法という二つのガジェットの化学反応により、わずか一年でかなりの国家へと生まれ変わった..........................................
普通に考えて凄すぎることだ...................
「しかし、これからどうなりますかね....................」
少し時間が立ち、新年まで後三十分のところで、カリウスがそう呟いた。
「やはり気になるか.........................」
カリウスは、少し不安そうな顔だった。
当然だ、すでにこのパーティーを行っている間にも、ドルツィオ帝国は俺達の方に向けて着実に歩みを進めていたのだから......................
宰相という立場上、この国のことをカリウスはずっと考えているのだ。
「今の戦力でやったら勝てますかね...............................」
少しの間、俺とカリウスの間に少しの沈黙が生まれた。
当時、この時点で俺達が保有していた戦力は、なんとかドルツィオ帝国の前線部隊と張り合えるくらいのものであった。
それでは、全く足りない。
しかし、建国したばかりの俺達の国は軍艦だけを造っているわけにもいかないのだ。
「どうだろうな................ できれば争いたくないもんだが、ルーンハイムを落としたら遅かれ早かれこっちにも攻めてくるだろう..................」
俺は、少し考える。
そして、近くにいたガスターとグライムに質問した。
「なあ二人とも、この国はドルツィオ帝国とやって勝てると思うか?」
これを聞いた二人は、少し驚いた後に顔を見合わせた。
そして、答えが決まったのか、ガスターが口を開いた。
「意外と勝てるんじゃないか?」
これを聞いた瞬間、言ったのがガスターなのも相まって、俺はそれを信じようとしなかった。
「ほう、どうしてだ?」
すると、ガスターは俺の予想と反して、しっかりとした意見を述べてきた。
「あいつらの軍は数だけは多い、しかし、いざ実戦となったらトウキョク星域にいる軍だけだろ..............」
すると、グライムも付け足すようにこう言ってきた。
「トウキョク星域以降の星域には、ドルツィオにつながるワープホールがありません..................」
そして、すこし考えた後にこう言った。
「対して、我軍はルーンハイムにあるワープホールを使う事により、即座に戦力を展開できます..........」
地理を生かした戦略、ガスターとグライムには、すでにこの時点でそれが頭の中に入っていたのだ。
「なるほど、さすがだ............... しかし、戦う必要があると思うか?」
すると、ガスターは少し笑いながら口を開いた。
「ルーンハイムが落ちた時点で、奴らは手に入れたワープホールを利用して、一気に攻めてくるだろう.................. そしたら、この国は終わりだ...........」
めったに聞けない、ガスターの弱々しい声だった。
「そうだな.....................」
ちょうどその時、時計の時刻が11時59分になったところだった。
「来年は、嵐の吹き荒れる年になりそうだな..................」
そして、俺達は東暦7029年を迎えた。
この年は、この国にとって本当の始まりとなる年である。
十二年に渡る、全宇宙統一までに繋がる戦争が始まろうとしていた..................................




