表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
帝国のつくり方  作者: ムックk
建国編
PR
41/61

41話   この世界の勢力図

 東暦7028年1月19日、あの宙賊との戦いから半年の月日が過ぎていた。

 この半年間、俺達ヴァルキリア王国は、国家というものの基盤を整えることに時間を費やしてきた。

 最初に着手したのは、資源輸送路の安定だった。

 あの戦いで宙賊の艦隊を壊滅させたが、惑星Da3953の軌道上には、まだ無数の宙賊の拠点が存在していた。

 そこであの戦いから一ヶ月後に、ガスターとグライムの指揮のもとで俺達は、宙賊の掃討作戦を開始した。

 といっても、この作戦は一方的なものであった。

 あの戦いで主力艦隊が壊滅していた宙賊に、もはや抵抗する力は残されていなく、宙賊の拠点は一つ、また一つと破壊されていった。

 そして二ヶ月後。

 惑星Da3953の軌道上に存在していた無数の宙賊の拠点は、完全に消滅した。


 この結果、俺達はついに安全な資源輸送路を確保し、「工業の発展」という新たなステージへとコマを進めていったのである。

 ちなみに、この出来事は近隣諸国に大きな衝撃を与えた。

 それも当然だろう。

 この宙賊の集団は、近隣諸国の中で一、二を争うトラキア王国の討伐軍すら撃退した存在だったのだから。

 そして、それ以上に近隣諸国が驚きを受けたのは、その宙賊を殲滅した集団が「ヴァルキリア王国」という国を作った、ということだった。

 ヴァルキリアという国名は、この頃からこの世界に名前を出現させていった。




 資源輸送路が安定すると、俺達の国家は一気に変貌を遂げた。

 輸送路が安全となったことによって大量の資源を手に入れることが可能になったことで、かつて砂漠だった大地には、次々と様々な工場が建設されていった。

 それはまるで、竹がものすごい速さで伸びていくような勢いだった。

 最初に建設されたのは、資源を加工する工場である。

 鉱石を精錬し、金属を生産する。

 国家工業の基礎となる、とても大切な施設だ。

 この施設は比較的単純な構造であったため、「建築加速の魔法」の効果も重なって、短期間で完成に持っていくことが出来た。

 しかしこれを読んで、「工場を作るための資源はどうやって加工するの?」という疑問が読んでいる人には、少なからず生じるだろう。

 しかし、そこは心配無用。

 その資源は、宙賊の拠点を降伏させたときに、略だ.........................  借用という形で手に入れていたのである。

 

 次に建設されたのは、労働力や軍艦に乗せるロボットを作成するロボット工場だ。

 しかし、ここで次に生じる疑問は、「ロボットを作るための精密機器などはどうするんだ?」という考えに至るだろう。

 しかし、ここは異世界。

 この世界のロボットというものは、前の世界で考えられているロボットとは全くの違うものなのだ。

 ここで、最初の惑星にいたミュータントという生命体について思い出してほしい。

 この世界のロボットは、それの拡大発展型というものだ。

 どうやら昔は前の世界の考え方と同じように、しっかりと回路で脳を作っていたのだが、ミュータントが生み出されたことによって、それがかなり応用され、いつの間にかミュータントがロボットというものへと変化していったのだ。

 なので、この世界のロボットは、ミュータントと捉えてもいいだろう。

 この世界のロボットは特殊な培養液の中に、「ミュータントな種」と言われている物質を入れるだけで、人類に忠実な生体ロボットが誕生する。

 しかも、わずか半日で完全な生体となるので、この世界の、全てを機械で作られたロボットは衰退していったわけだ。

 精密機械を組み立てる必要もない。

 回路を組む必要もない。

 それは、まさに生命の工業生産だった。


 前の世界には、「ご都合主義」という言葉がある、まあ、意味は文字のままだ。

 前の世界だとそう叩かれていただろう、しかし、この世界は異世界だ。

 前の世界では非現実的だと思われても、別世界だと、それは現実となる。

 だから異世界というものは、何が起こるか全く予想が出来ない素晴らしいものなのだ。




 まあそんな感じで、俺達は大量の労働力と資源を手に入れた。

 国家の発展は、まさに加速度的であった。

 半年前まで、僅かな集落に過ぎなかった村は、すでに半年の間に「都市」へと変貌していた。

 高層ビルが立ち並び、無数の工場が機械の音を鳴らして稼働している。

 このときの人口は、およそ二万人。

 ロボットを含めた数字ではあるが、それでも驚異的な成長であった。

 

 そしてこの日、新たに建設された、まだ使い道の定まっていない行政ビルの会議室で俺は重要な報告を受けていた。

 半年間、パウルとともに各国を巡り情報収集を行っていた調査団。

 それが帰還したのだ。

 



 会議室の椅子に座ったゲオルクは穏やかな表情を浮かべていた。

 半年前とあまり変わらない顔で、このときの俺は結構安心したのを覚えている。

 俺は腕を組み、ゲオルクに問いかけた。


 「では報告を聞こう、この世界がどんな感じなのか教えてくれ」


 ゲオルクは静かに頷いた。


 「報告事項は多岐にわたりますが................ まずは、この世界の勢力構造から説明いたしましょう」


 そしてゲオルクは、この世界の勢力構造についての報告を開始した。


 「この世界は現在、大きく分けて九つの勢力圏に別れています」


 会議室に小さなどよめきが広がる。

 俺は思わず言った。

 

 「九つか、意外と少ないもんだな」


 ゲオルクは微笑した。


 「ええ。ただし、この中でまともな勢力として機能しているのは八大国という八つの大国だけです」


 その言葉を聞いた瞬間、俺は足早にこう言ってしまった。


 「...................残りの一つは?」


 それを聞いたゲオルクの口角が、わずかに上がったように感じた。


 「小国、無政府地帯、そして宙賊勢力が入り乱れる無数の星系です。 八大国はここを支配することを諦めています」

 

 彼は静かに言った。


 「我々ヴァルキリア王国も、そこに位置しています」



 それを聞いた当時の俺は、脳に凄まじい稲妻が走った気がした。

 支配されていない星域。

 無秩序な勢力圏。

 つまり、そこにはまだ「王」がいないのだ。


 俺は身を乗り出した。


 「なあ、ゲオルク」


 「はい」


 「その無秩序な九つ目の勢力圏................ 統一することは可能だと思うか?」


 その瞬間、会議室に沈黙が広がった。

 そして、ゲオルクは、ゆっくりと笑って言った。


 「ええ、可能です」


 その言葉を聞いた瞬間、俺の胸の奥で、何かが燃え上がった。


 俺の目標は、誰にも邪魔されない理想の国を作るという目標だ。

 当然、それを作るんだったら、強大な軍事力と国力が必要になる。

 しかし、当時のヴァルキリア王国は弱小国なので、八大国に攻められたりしたら、一瞬で滅んでいただろう。

 しかし、この九つ目の勢力圏を統一すれば、八大国にさえも攻められない、理想の国が出来上がる。

 この日、ただの報告会で終わるはずだった会議はいつの間にか、


 新たな歴史の始まりを告げる会議と変わっていたのである。


 

 

  

 

 

 

この世界の地図です


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 丨      丨  ノウス王国  丨    丨ーーーーー

 丨リバタリア 丨         丨 ザルグント   丨

 丨共和国   丨ーーーーーーーーー丨 五重帝国    丨

 丨      丨 見捨てられた  丨         丨

 丨      丨  勢力圏    丨         丨

 丨      丨ーーーーーーーーー丨    丨ーーーーー

 丨      丨         丨    丨

 丨      丨デザート王国   丨    丨

 ーーーーーーーーーーー  ーーーーーーーーーー

           丨唯 丨

           丨一 丨

           丨の 丨

           丨回 丨

           丨廊 丨

 ーーーーーーーーーー丨  丨ーーーーーーーーーー

 丨      丨               丨                               

 丨セルディア 丨   イスリト王国      丨

 丨 帝国   丨               丨

 丨      丨ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 丨      丨 スコッチ大公国丨 イフリート   丨

 丨      丨ーーーー丨   丨  連邦     丨

 丨           丨   丨         丨

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ