19話 遭遇
炎を確認した俺たちは速かった。
すぐに、宇宙船に積んできた銃と刀を持ち出して万が一の場合に備える。
こちらから接触しに行くのも考えたが、宇宙船にいる方が地の利があるということで、宇宙船で待機することになった。
炎は二つ、おそらく偵察に来たのだろう。
それにしても速い、三十分もせずにかなり近くまで接近してくるのだから、なにか馬みたいななにかに乗っているのではないだろうか。
そんなことを思っていると、カリウスが声をかけてきた。
「グレース様、もうすぐ姿が見えますよ!」
俺はすぐに炎の位置を確認する。
すでに炎は、宇宙船の目前に迫っていた。
そして、よく見てみると炎がついている松明を持っている二人組の人間が、それぞれダチョウみたいな動物に乗っているのが確認できた。
それだけなら良かったのだが、二人とも弓と剣らしきものを持っている、それに、映画にでてきそうな仮面をつけているせいで表情が分からないおかげで不気味に感じる。
「どうするんだ、カリウス!」
俺は、カリウスに小声で話す。
「もう少し待って安全そうだったら声をかけてみましょう」
こちらの電気は切っているので、こちらに気付いている感じは見受けられない。
そして、しばらく監視をしていると二人組が話し始めた。
「誰もいないようだな........」
「ああ、こんなことをできるなら是非とも村に来て助けてほしいのだがな.......」
声を聞いた感じだと、二人とも若そうな声だった。
いや、そんなことはどうでもいい。
気になるのは会話の部分だ、「こんなことができるなら是非とも村に来てほしい」 この会話を聞いた限りだと、とくに攻撃してきそうな感じは見受けられない。
とりあえず、俺一人では判断するのが難しいのでカリウスに聞いてみる。
「なあカリウス、さっきの会話聞こえたか?」
すると、カリウスは小声で返してきた。
「ええ、聞こえました。聞いた感じだと我々を攻撃してきそうではなさそうですね。
どうします?話しかけますか?」
敵意がないとわかった以上、話しかけてみる方が俺たちにとって有益だろう。
そうと考えたら、すぐに行動だ。
「話してかけてみるか!」
俺はそう言うと、艦橋に戻って艦内全体の電気をつけた。
そして、そのまま下に降りていった。
「なんなんだこれは!」
どうやら、二人は突然の出来事に驚いているようだ。
さて、声をかけようと行きたいところだか、どういう感じで話しかけようか悩むもんだ。
「こんにちは」だとなんか面白味もない、かといって変な感じで話しかけたら、向こうからの印象が悪くなってしまうかもしれない。
そんなことを悩んでいると、カリウスが近くに来た。
「どんな感じで話しかけてみたらいいかな?」
俺は、カリウスに聞いてみる。
「こういうときは普通のあいさつがよさそうですが、国を作るというなら少し上手にでても良いかもしれません。」
「しかし、そんなことをしたら向こうからの印象が悪くなってしまうかもしれないじゃないか!」
しかし、そんなことは計算済みのカリウスはこう言った。
「先程の会話から察するに、彼らは「村に来て助けてほしい」と言っていました、そのことを踏まえるとこちら側が上手に出れるでしょう」
その言葉を聞いた俺は、どうやって話すかを決めた。
そして宇宙船の扉を開けて、カリウスと共に二人に向けて歩き出した。
二人は出てきた俺たちを見て、警戒しながら距離を取った。
ただ、そんなことはお構いなしだ。
「やあ君たち、私たちになにか用かね?」
全然軽いだろ!と思うかもしれないが、これでも自分なりに高圧的に言ったつもりだ。
すると、二人は着けていた仮面を取った。
一人は、茶髪の武骨な顔をした青年、もう一人は青髪で中性的な女性だろうか。
そして、青髪の方が口を開いた。
「初対面ながらすみません、この森と湖を作り出したのはあなた方ですか?」
隠す必要もないので、俺は「そうだ」と答える。
すると、二人は地面に膝をついて頭を下げた、そして、茶髪の男が口を開く。
「私たちはここの近くにある村から来ました、今私達の村は存亡の危機に瀕しています!どうか、私達の村を救ってはくれませんか!」
「いきなりすぎるだろ!」正直、当時の俺はそう思った。 だが、救ってくれといわれて放置するほど俺は酷くない。
まあ、一応カリウスにもどうするか聞いてみようとしたが、カリウスの方を見るとうなずいたので聞く必要もなかった。
なので、「助けるかどうかは状況を見てから決めよう」と判断した俺は、とりあえず様子だけ見ようと、村に行くことに決めたのだ。




