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修羅場が訪れようとしている。


「お前…学生か…?」

「ち、違います…」

「じゃあ職業は?」

「え…そうですね…」


シンは滝のような汗を流しながら、それでも兄から目線を離さない。


「…ハンター…かな…?」

「ハンター!?」


兄が飛び退く。


猟師(ハンター)だと…じゃあ害獣とかを…」

「害獣より魔物のほうが正しい気が…」

「ま、魔物レベルだと…!?」


兄とシンの間で大きなすれ違いが発生している。

双子は笑いを堪えながらその様子を楽しみ、ルチアは興味がなさそうに台所へ行く。

テツはまだうずくまっている。


「こんなもやしっ子がハンター…」

「いやいや、外見も成績も関係ないですよ」

「こいつ…相当の手練れと見た…」


私は何も言わずただ呆れる。


「そんなに強いならハルカを守ってもらえるかも…?いやしかし…」

「…お兄さん」

「お兄さんと呼ぶなー!」


シンが殴られる。なんか不憫だったりする。


「な…ナユタさんっ…」

「何だ」


頬を押さえながらも体勢を立て直し、兄と向き合うシン。


「俺…ハルカもナユタさんもがっかりさせませんから…」

「そんなこと口先だけならいくらでも言える」


私のほうからは兄の表情は伺えない。


「確かに…絶対守るとかそういう言葉は…その時にならないと真意はわからない…でも…」


シンは真っ直ぐに兄を見つめる。


「ハルカが好きだってこと…大事だって思ってること…信じて欲しいです」

「…」


室内の全員が静かに2人を見守っている。


「…ハルカ」


兄は背を向けたまま私を呼ぶ。


「お前はこいつのことが好きなのか?」

「うん…」

「信じられるのか?」

「もちろん」


彼は息を吐く。


「…そうか…なら俺も信じよう」

「…!ありがとうごさいます…!」


シンが頭を下げる。

それを兄は頭を掻きながら上げさせる。


「ただし」

「…?」

「手を繋ぐまでだからな」

「…あはは…」


私とシンは兄の顔を直視出来なかったのだった。

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