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兄を見送るために玄関先に出て来た私。
「お兄ちゃん…ありがとね…」
「ふん…」
兄はソッポを向く。
この人の照れ隠しみたいなものだ。
「正直許してくれるとは思わなかった」
「まだ完全に許してるわけじゃねえから」
彼は私の頭を撫でる。
「俺はハルカにずっと笑っていて欲しい。今までの男はみんな俺を見てハルカから逃げて行った。そんな中途半端な気持ちのやつと付き合ったってハルカが泣かされるだけだ」
「お兄ちゃん…」
幼い頃兄が言っていた。
妹を守るのが兄の役目なんだと。
思えば兄はずっと私を守っていてくれた。
私が泣くとすぐ飛んで来て、私を笑わせようと可笑しなことをして見せたり、励ましてくれたりした。
「でもあいつは今までのとは違ってた。俺に最後まで向き合っていたのはあいつが初めてだ」
兄は私に笑顔を見せると歩き出す。
「泣かされたりしたらすぐ兄ちゃんに言えよ?どこにいたって飛んで行くから」
「…うん、ありがとう」
その日の夜。
ソルハンの世界。
「疲れた…」
広場の端のベンチでうなだれるシン。
「でも嬉しかったよ」
私が隣りに座る。
「え…?」
「シンの本気、ちゃんと伝わったから」
「ま、まあな…」
彼は照れ臭そうに視線を泳がせる。
「…あ、シンザン」
シンが大柄な男を見つける。
「おお、シン殿。それにハルカ殿も」
シンザンの隣りにはもう1人。
紺の髪を頭の高い位置でまとめ、利発そうな顔立ちにノンフレームの眼鏡。
そして青のギルドナイト装備である。
「その人は…?」
「シジラよ。初めまして」
「小生の奥にて候」
(シンザンさんの奥さんだって言うから…和の人かと思ってた…)
その大人の雰囲気漂う女性に見惚れてしまう。
「よかったら一緒に狩りに行かないか?」
「それは良いな。しかしちと用もあってな」
豪快に笑い飛ばすシンザン。
「用事…?」
「よかったらついて来てくれないかしら?私だけでは入りづらくて…」




