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代わりのビーンくん

「…ビーンくん…いないじゃねえか…」


どこに目を向けてもさやえんどうの姿はない。


「ったく、俺がビーンくんだって言ったろ?」

「そんな…」


ルチアは泣きそうなほどうなだれる。


「ほら、おいで?」

「…嫌だ」

「意地張るなよなー」


彼女はふてくされる。

黒はそんな彼女の頭を撫でる。


「…俺じゃなくてあいつだったらいいのか?」

「…」


彼女は黒を睨みつける。

そして黙ってベッドに上がりこむ。

黒は彼女をしっかりと、優しく抱きしめる。


「…意外にあったかい…」

「そりゃあ、一応生きてるしな」


ルチアは黒の胸に耳元を当てる。


「それに…心臓がすごく早く動いてる…」

「…当たり前だろ…」


お前がいるから。

そう言おうとしたときにはすでに彼女は眠りについていた。










翌朝。

隣りにはいつもの抱き枕の感触。


「…仕事か…」


部屋の主はいない。

ルチアは時間を確認しようと、ポケットに入れっぱなしだった端末を開く。


眠っている自分の顔。

その頬に口を付けながら悪戯な目でこちらを見る青年。


どうやら彼が端末の壁紙をいじったようだ。


「…覚えてろよ」


彼女はその画像を消去しビーンくんを抱えると、廊下に誰もいないことを確認して部屋を出て行った。



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