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花火を見るためにベストな場所を探している私達。
「あ…」
ふいにルチアが立ち止まる。
「どうしたんですか?」
「今…聞こえた…あいつの…」
踵を返すルチアの腕を黒が掴む。
「行くな」
「…」
その腕を振り払い、彼女は行ってしまった。
「場所取りしなきゃいけねえのに!」
「わ、私が追いかけますから」
「…はぁ…はぁ…やっと追い付いた…」
息を切らせながら辿り着いたのは祭りの仮設ステージ。
そこにいるルチアはステージを凝視している。
「あ、リョウトさん…?」
ステージではリョウトが歌っていた。隣りで見知らぬ女性も歌っている。
「ハルカちゃん、来てたんだ?」
「もう…勝手に走って行かないでくださいよ…」
彼女は苦笑いを浮かべながらまたステージに目を移す。
「…あいつも軽音やっててさ。今もやってるとは知らなかったけど」
「へー…結構上手ですね…」
すると1人の青年がルチアに笑顔で近付いてくる。
「和花さんじゃないっすか」
「ん?ノリじゃん」
彼はルチアの後輩だという。
「なあ、リョウトと歌ってるあの子は?」
「覚えてないんすか?カナルっすよ。先輩のイッコ下」
ルチアは思い出したように手を叩く。
「前はもっと暗い子だったと思うんだけどな。今はすごく楽しそうだ」
「カナルはリョウトさんのこと前から好きでしたから」
それを聞いてルチアはバツが悪そうにする。
「知ってたらもっと早く別れたのに」
「ヤキモチじゃなくてそっちな反応っすか」
「焼く餅なんてねえ」
ノリは肩をすくめる。
「あ、先輩も歌っていってくださいよ」
「あー?なんの準備もしてねえから遠慮する」
行こうとするルチアにノリが掴みかかる。
「お願いしますからっ、こんな機会もう巡ってこないかもじゃないっすかー!」
「…はぁ」




