ジェミニ
遠くから賑やかな音が聞こえる。
暗がりの中にはカズがうずくまっていた。
「左匡」
コウメイが少年の隣りに腰掛ける。
「なあ右匡…俺が悪かったの…?」
「黒さん言ってたよ。人の行動に正しいとか間違いだとかは誰にも決められないって」
2人は身を寄せ合う。
「じゃあ…なんで…」
「仕方ないじゃん。それが他人だし」
カズはコウメイの肩に頭をもたれる。
「俺らみたいになんでも分かっちゃえば楽なのに」
「お世辞と愛想がないと上手くいかない関係なんてつまんないね」
双子は互いの手を握る。
「ま、別に他人なんかどうでもいいさ」
「2人で居れば、2人が要ればそれでいい」
「「僕たちは甘え上手な可愛い双子なんだから」」
「あ、カズ君…」
ハルカ達の元に戻ってきた双子。
「その…ごめん…」
ハルカは申し訳なさそうにしている。
「いいのいいの。俺も悪かったんだし」
カズがいつも通りに笑う。
「後であの子にも謝るんだぞ?」
「はいはい」
双子はまたうろうろし始める。
「射的やりたいー」
「…はぁ…ちゃんとわかってんのかね…」
こめかみを押さえるテツ。
「なんだ、お子様はまた怒られてんのか」
「あ、黒さん。それにルチアさんも」
黒と浴衣を着たルチアが歩いて来る。
「珍しー、るちるちが浴衣だなんて」
「好きで着てるんじゃねえし…」
紺の浴衣の彼女は不機嫌そうにソッポを向く。
「てかそれ自前?」
「え、ま、まあ…」
ルチアの対応にハルカが首を傾げる。
「そ、そんなことより花火の場所取りしようぜ。これで見えなかったら最悪だ」
「ええ、そうしましょうか」




