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大学も夏休みに入った昼下がり。
「今日はなんだか外が賑やかですね」
テツと一緒に昼食の後片付けをしている私。
「お祭りやってるんじゃなかったかな?」
ソファーでくつろいでいた双子が真っ先に反応する。
「「お祭り!行きたい!」」
側で雑誌をめくっていたルチアに双子がのしかかる。
「ルチアちゃん連れてって!」
「重い。俺は高校球児観るの」
「「えー」」
「ただいまー」
徹夜明けの黒が談話室に入ってくる。
「黒さんお祭り連れてって!」
「いきなりなんだよー、俺は甲子園の魔物観るの」
「黒さんはサッカー派だって言ってたじゃん!」
「あ、ばれた?」
黒は悪びれもせずソファーに座る。
その下に押し潰されたルチアが、苦しそうにテーブルをバシバシ叩く。
「ハルカちゃんは行くよね…?」
すがるような目でコウメイが私を見上げる。
「まあ…特に用事もないからいいかな?」
「「わーい!」」
談話室を走り回る双子。
ソファー近くに置いてあったモトハルさんの自宅をついでに蹴飛ばす。
モトハルさんが鬼の形相で這い出て来て、潰れているルチアに必死に訴えている。
「ねえハルちゃん、お祭り行くならやっぱりアレだよね?」
テツが何かを期待するように私に尋ねた。
「…あ、浴衣ですか?」
「うんうん、もちろん着るよねー?」
黒が"浴衣"に少し反応した気がする。
「でも私持ってないです」
「去年オオヤがみんなに支給したからルチアの借りれば?」
モトハルさんを捕まえながら黒が言う。
「着付けはオレっちが出来るー」
テツが私の耳元に口を寄せる。
「脱がせるのも上手だよ?」
「ドロップキーック!」
突如現れたシンの蹴りがテツに決まる。
「シン、部屋に戻らなかったっけ?」
「悪寒を感じたから」
「ど、どういう勘してんだ…よ…」
「浴衣出してやるから」
ルチアの部屋。
ここに入るのは始めてだったりする。
思ったより殺風景だ。
「…もう少し可愛くしてみたらいいんじゃないですかね…」
「片付けるの苦手だからなー…」
ルチアがクローゼットから綺麗にしまってある浴衣を取り出す。
「こんなんでいいか?」
「わぁ、可愛いですね」
淡い桃色に、全体に綺麗に小花が咲いている。
「着付けは俺がしてやるよ」
慣れた手付きで浴衣を着せてくれるルチア。
「ルチアさんは着ないんですか?」
「ハルカちゃんみたいに可愛い子が着るから意味があるんだってー」
彼女は帯を締めながら笑う。
「はい、これでいいよ」
「ありがとうございます…あ、それともう一ついいですか…?」
「ん…?」




