新しい世界で 10
稼働中のソルハンの世界。
ギルド前の街路樹。
その下に銀髪の女忍が立っている。
「…お姉さん、そこは私の指定席ですよ」
その女忍に、黒縁眼鏡に軍服姿の青年が声をかけた。
「この世界の土地に個人の所有権はねえ」
「やれやれ…」
その青年、ノラは女忍であるルチアの隣に立つ。
「…まだ旧世界に?」
「ああ」
ノラは額に手を当てる。
「ほどほどにしてください。貴方がいなくなれば私達の責任なんですからね?」
「はいはい」
「…わかってないですね…」
そんな2人に歩み寄るハンターがいた。
「…こんにちは」
「よぉ、来てたのか」
「フレですか?」
2人に頷く男。
鼻と口元はマスクで覆われ、腰には鎖鎌。
そしてルチアと同じ銀髪。
「こいつはヨタカ。フレってか団長から預かってるやつ」
「初心者さんのお手伝いをしてるわけですか。あと殺気はやめてください」
ヨタカはなぜかノラに殺気を振りまいている。
「そんな緊張すんなって」
「…承知」
「緊張じゃなくて明らかに殺気でしたよ!」
ルチアがヨタカをなだめる。
彼は渋々ルチアの背後に回る。
「でも初心者にしてはレベルが高い気がするのですが。その武器も相当レベルないと装備出来ないでしょう?」
ヨタカの背にある鎖鎌。
貴重な緋緋色金でできた見事な業物だ。
「ああ、だからもう一人立ちしろっていってるんだが…」
「恩、報いる」
ルチアがため息をつく。
「…だそうだ」
「今時珍しい律儀さですね」
眼鏡を押し上げながらノラが肩を竦めた。
「さて、ひと狩りするとしましょうか」




