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「ハルカちゃんどうしたのー?」
談話室にはカズとコウメイ、それにモトハルさんがいた。
「シンの風邪薬出そうと思って」
「具合悪いの?」
「すぐよくなるよ」
「そっかー、それなら安心だねー」
双子はたいして心配していなさそうだ。
モトハルさんにいたっては、段ボールを掻き集めて何かを訴えている。
「何してるんだろ?」
「今考えてるのー」
モトハルさんは更にカッターやテープを引っ張ってくる。
「…何か作って欲しいとか?」
今度はラックから端末を持ってくる。
電子書籍用の端末で、定期的に中身が更新される。
モトハルさんはディスプレイを表示させ、ページを次々めくっていく。
その動きがあるページで止まる。
「家?」
鬼神は一軒家を指差している。
「家を作れってこと?」
「なら簡単じゃんー」
カズが段ボールを組み立て、元の箱に戻す。
コウメイがその中にモトハルさんを入れる。
「「はい完成ー」」
モトハルさんは憤慨している。
「んだよー」
「僕たちにそんなクオリティ求めないでよねー」
「あはは…」
私も手伝って、何とか犬小屋のような段ボールハウスが出来上がり、モトハルさんもどうやら納得したようだ。
双子が中にいるモトハルさんを覗き込む。
「モトハルさん、一人暮らしだね」
「なんか寂しいね」
「うーん…」
私は残った段ボールの切れ端を寄せて人形を作ると、小屋の中に入れてあげる。
「とりあえずこれでどうかな?」
モトハルさんは段ボール人形にしきりに何か話しかけている。
「ひとりぼっちはやだもんね」
コウメイが呟く。
「誰もいないのはやだもんね」
カズも呟く。
双子は小屋の中をじっと見守っている。
「その点僕たちはずっと一緒だもんね」
「俺たちは2人で1人だもんね」
カズとコウメイは互いの存在を確認するように身を寄せ合う。
(この子達は…ずっと2人でいたのかな…)
2人で1人。
2人なのに独り。
双子は双子なりの孤独を感じているのだろうか。
「…ねえハルカちゃん」
「うん…?」
童顔の2人が私を見上げる。
「「シンの薬はいいの?」」
「…あ」




