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その頃の一同

「ハルカちゃんとシンはどこ行ったのー?」

「探しに行こうかー?」


カズが走り出そうとする。


「こら、無粋なことしないの」


アイがカズの肩を掴む。

双子は頭上にクエスチョンマークを浮かべながら顔を見合わせる。


「トンボ花火、いっきまーす!」

「ちょ、そんな一気にやるなよ!」


オオヤがありったけのトンボ花火に点火する。

不規則に弧を描きながら、トンボ達は季節外れの空を舞う。


「きゃっ!」


花火のひとつがアイに向かって飛んで行く。

その花火をすかさずテツが払い落とす。


「大丈夫?」

「あ、ありがとうございます…」


するとテツがアイの顎をクイッと持ち上げる。


「ついでに今夜は朝まで君の火照りを感じていたいな…」

「テツさん…」


2人は見つめ合う。


「もうこのメンツで来たくねえ…」


黒がこめかみを押さえる。


「あら、そういえばルチアちゃんもいないのね」

「バイクの手入れっすよ」


ユウナにリョウトが答える。


「じゃあ俺呼んでくるわ」


黒が行こうとするのをリョウトが捕まえる。


「…じゃんけん、ぽん」

「あっ」


手をヒラヒラと降りながら、黒は歩き出した。










水上バイクを収納した小屋。


「…ふぅ」


点検と洗車を終えたルチアが、近くの柱にもたれしゃがみ込む。


「おーい、花火しねえのー?」


小屋に入ってきた黒が、ルチアに歩み寄る。


「…疲れたのか?」

「まあ、ちょっと休憩」


黒がルチアの隣に座る。

頬杖をついてバイクを眺めているルチア。

彼女の頭に手を置く。


「…んだよ」

「なんとなく」


ポンポンと頭の上で手が小さくはねる。

頭の持ち主は不満そうだ。


「…なあ」

「もー、なんだよ…」


黒のほうに顔を向けると、意外に近い彼の顔がある。

ルチアは少し驚く。


「イケメンがこんな近くにいるのに何にも思わねえの?」

「自分でそれ言っちゃう…?」

「いいだろ、自分のこと可愛いって思う女子はホントに可愛くなるもんだ」

「左様ですか…」


ルチアは黒の顔を至近距離でまじまじと観察する。


「…おい、近いだろ」

「近付いたのはそっちだろ…っ…」


黒が軽く口付けをする。


「…なんでそうなる…」

「そうなるだろ普通」

「…よくわかんねえな」


彼女は顔をしかめる。そしてすぐに寂しそうな顔をする。


「俺じゃなくて"あの子"だったら…ドキドキしたりするんじゃねえかな…」

「…!」



気がつけば。

黒は彼女を押し倒していた。


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