夜の空のカイナ
「ーっ!」
紫乃の元に行く回数が増える度に、頭の痛みも増していく。
あまりの痛みに耐えきれず畳の上に倒れ込む。
限界が近いー
自分の身体がそう伝えているようだ。
「もう少し…もう少しでいいのに…」
「和花ー…っておい!」
何の気なしに部屋に入ってきたリョウトは、倒れて頭を抱える和花を見るなり急いで彼女に駆け寄る。
「お前何してんだよ!」
「リョウト…」
慎重に彼女を抱き起こす。
「…大丈夫だから…」
できる限りの笑みを浮かべて腕から離れて行こうとする和花を抱き止める。
「そんな嘘が通じると思ってんのか…?」
「…やっぱりリョウトは騙せないか…ていうか結局泊まってたんだ…」
和花はリョウトに身を預ける。
「ユナが泊めてくれるって言ったから」
「妹にまで手を出すつもりか…」
リョウトは和花をベッドに寝かせる。
「姉妹丼もいいかと思って」
「…最低…」
「冗談だっつの」
和花の額を軽く指で弾く。少しの振動でも彼女は顔を歪ませる。
「あ…ごめん…」
「…リョウト…」
和花がリョウトの髪に手を伸ばし、愛おしそうに撫でる。
「あなたの髪は…光が当たると綺麗な青になる…私の好きな…ナイトブルー…」
「和花…」
寂しそうに微笑む和花。
「…辛いなら…この夜空に戻って来たっていいんだからな…」
「…」
部屋の灯りより小さく光る流れ星は目を伏せる。
もう戻れないのだと空に告げるように。
「ありがとう…でも…やらなくちゃ…」
「全く…相変わらず我が儘なお嬢様だな」
「別に…我が儘で結構…」
彼女は子供のように頬を膨らます。
「だから…一つ我が儘を言いたい…」
「何でございましょうかね?」
恥ずかしそうにリョウトの腕を引く我が儘な彼女。
「その…一緒に寝たい…」
小さな声が彼の耳に届く。
「…我が儘な上に寂しがりなお嬢様だな」
「う、うるさい…」
リョウトは顔を赤らめる彼女の隣に横になる。彼女は彼の胸に顔を埋めるようにして抱きつく。
「…よし、脱ごうか」
「やっぱ出てけ…」




