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どうしたものか。
黒さんと2人きりにされてしまった。
「…ハルカちゃん…?」
気が付けば黒さんが間近で私の顔を覗きこんでいる。心臓が飛び出しそうだ。
「わっ、あ、え、えー…っと…っ…!」
(平常心…平常心…!!)
必死に取り繕って見せようと頑張る私。
「あ、あの…る、ルチアさんは大丈夫なんですかっ…?」
やっと出せた話題がそれだった。少し後悔してしまう。
「いつものことだからさ、しばらくしたら降りてくるよ。あいつ素直じゃねーからなーw」
黒さんは笑いながら言う。
「それより…」
ずい、と黒さんが私ににじりよる。
「ハルカちゃん…"ライト"だね…?」
「え…?」
("ライト"って…?)
「やっぱり。きょとんとしてるってことはそうなんだな」
「ど、どういうことですか…?」
黒さんはゆっくり私から離れて行く。
「"ライトユーザー"だってこと。あんまりゲームしたことないでしょ?」
「!!?」
どうして分かられたのだろう。さっきまでとは違う動揺に襲われる。
「ご、ごめんなさい…」
動揺のせいだろうか。言い訳も誤魔化しの言葉も出なかった。
「ま、大家さんが入居を許可した訳だし、あの人のことだからなんかあるんだろうな」
黒さんは少し考えた後、私に笑顔を見せる。
「みんなには黙っとくよ」
「あ、ありがとう…ございます…」
「おーい、ハルカちゃーん」
ルチアが再び談話室に入って来た。
「部屋の片付けまだでしょー?段ボールが廊下に残ってるよー」
「あっ、そうだった!」
急いで片付けねば。
「よぉ、ルチアー」
「あ、おはよー黒さん」
黒さんの呼び掛けに棒読みで応えるルチア。
「やっぱ戻ってきたな」
「一杯だけだからな!」
「ったくー」
そんなやりとりを繰り返す2人を後にして、
そんな2人を気にしながらも私は部屋へと静かに上がって行くのだった。




