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青年からでた思いも寄らない言葉。

ルチアも戸惑っているようだ。


「急にそんなこと言われても…」

「急にじゃねえ。前から言ってきたことだった」


前から…

いつからこの2人はこんな関係だったのだろう。


「ゲームしなかったのも…お前に会ったら我慢できなくなりそうで…」

「だって…好きだとかそういうの…」

「…相変わらず…本心に手を伸ばせねえんだな…」


小さくて短い悲鳴が聞こえる。

畳に何かが倒れる音も。


「愛想笑いばっかで…どんなに辛くても自分だけで抱え込んで…そんなんだから自分のホントの気持ちがわかんなくなって…言えなくなるんだろ…」

「私は…」


衣擦れの音が微かに響く。


「…リョウト…」


ルチアが青年を呼ぶ泣きそうな声がする。


「いい、言わなくて…」


辺りが静かになる。


私達はここにいるべきではない気がする。


「黒さん…」


ここを離れよう。そう言おうとしたのだが。


(黒さん…泣いてる…?)


黒は俯いていて顔は見えなかったが、悲しみが伝わってくるような気がする。


「リョウト…もうだめ…」

「…はいはい」


リョウトがルチアを抱え起こす音がする。


「じゃあ最後に和花のほうからキスして」

「なっ、やだ!」

「ダメ」


ルチアの苦しそうな息遣いが聞こえる。


「するまでやめないから」

「そ、そんな…」

「やめて欲しくないならそれでもいいんじゃない?」

「う…」


リョウトは意地が悪そうに笑う。


「…これで…ホントに最後だから…」

「ふーん、それは本心なの…」


リョウトの言葉が遮られる。



「…帰ろうか」


黒がポソリと呟いた。

寝ているシンをコツンと叩く。


私達が静かに立ち上がり、そこから出ようとすると


「帰るのか?」


リョウトの声がした。

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