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庭師の足元。その近くの岩陰に隠れた私達。
「和花…お帰りなさい…」
「姉ちゃんただいまー。てか親父の肩にまた妙なもん憑いてるぞ」
父の肩にいる鬼神がキョロキョロしている。
(あれって雰囲気的なものじゃなかったんだ…)
どうやら皆に見えているようだ。
「お祓いして貰おうかしら…」
「だめだ!モトハルさんはワシの相棒だ!」
父は必死に鬼神を、モトハルさんを庇う。
「あー?前にも似たようなのいたじゃねえか」
「ゲンホウさんだったかしら…?」
父がうなだれる。
「ゲンホウさんは…この前プリン食べさせたら…あまりの美味さに昇天してしまった…」
「プリン食えるのかよ!」
「シン!気持ちは分かるけど落ち着いて!」
「てか色々突っ込みたいよな!」
思わず岩陰から飛び出そうとするシンを私と黒で抑える。
「ん?誰かいるのか?」
ルチアが庭に目を向ける。
「に、庭師さんだよー」
黒が声色を変えて庭師のフリをする。庭師もなぜかそれに合わせて口パクをする。
「…ならいいんだが…」
ホッと一息つく私達。
「なあ、"あの人"はまだ来てないのか?」
サヤカに向き直るルチア。
「もうすぐ来るんじゃないかしら…着替えないと怒られるわよ…」
ルチアはモトハルさんをつまみ上げながら困った顔をする。
「着替えるって言ったって…」
「もう…いい加減男物ばっかり買うのやめなさい…」
ルチアの手のひらで正座するモトハルさん。父が取り返そうと手を出すと、モトハルさんがそれを弾く。
「私の貸してあげるわ」
「姉ちゃんは着物ばっかりじゃんかー!」
しゃがみ込んでいじける父。モトハルさんは毅然としている。
「今着てるのよりマシでしょ…?」
「う…」
サヤカがルチアを引っ張って行った。
「誰に会うんでしょうね?」
岩陰からやっと顔を出す私達。
「俺はモトハルさんのほうが気になるんだが…」
庭師が切り落とした枝葉を頭にかぶっているシン。
「てかみんなモトハルさん見えてるのな」
庭師と固い握手を交わす黒。
「黒くんなんでさっきから隠れてるの?」
縁側に座って足をブラブラさせている父が聞く。
「いいですかお父さん、俺達がここに来ていることは内緒ですからね」
「ワシは君のお父さんではないが…もうどーにでもなーれ☆」
どうやら父は心に深い傷を負っているようだった。




