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「…という所存で我々はルチア追跡の任に出発したのであった」
「む、それはメタ発言というやつだな?」
「シンじゃないけど帰りたい…」
ルチアの実家前。
黒の"お出かけ"に付き合わされている私とシン。
「てゆーかなんで私達まで…」
「暇人も三人集まればストーカーになれるって言うだろ」
「"皮職人も三人集まれば孔明に勝てる"…でしょ…?」
「うを!」
いつの間にか私達の背後に、着物姿のおっとりとした女性が立っていた。
「さ、サヤカさん…」
「和花に会いに来たの…?」
黒がサヤカと言った女性は、私の知らない名を口にする。
「のどかって…?」
「ああ、ルチアの名前だよ」
そうだった。この人達は本名を伏せて暮らしているのだった。
(そういえば…シンも…)
「…そっちの子…怒ってるみたい…」
サヤカが私を示す。
「あ、なんでもないですっ!」
「…?」
シンが首を傾げる。
「和花はまだ帰ってない…上がって待ってて…」
「いや、お構いなく…」
「上がって待てってて…」
「…はい…」
黒はサヤカには敵わないようだ。サヤカに案内されてルチアの実家にお邪魔する。
「この子たちは…お友達かしら…?」
「ハルカちゃんとシンです。和花のルームメイト」
「そう…賑やかそうで嬉しいわ…」
そういうサヤカはおっとりした表情のままで、真意が計り知れない。
「すごい…庭園がある…」
ルチアの実家はまさに日本家屋で、庭師までもがいる。
「お、黒くんではないか」
前方から壮年の男性が歩いてくる。
「お父さんこんにちは」
「ははは、ワシは君のお父さんになった覚えは無いよ」
ルチアの父の肩から鬼神が顔を出している気がする。
「お父さん…和花のルームメイトの子たち…」
「ほー、"可愛い娘"が2人もいるのかー」
「俺は男だ!」
女に間違われたシンが憤慨する。ルチアの父は驚き半分笑い半分である。肩の鬼神も驚いている、ような…
「ただいまー」
今しがた私達がやってきた方向からルチアの声がする。
「やべっ、隠れるぞ!」
「ん?何かやましいことでもあるのかね?」
「庭にでも隠れたらどうかしら…?」




