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シンに告白されて数週間が経ち、現実世界は梅雨の時期になる。


私とシンは今までとあまり変わらない生活を送っている。平日の夜や休日に一緒にゲームをする。ただそれだけ。


(変わったと言えばシンさんじゃなくてシンと呼ぶようになったことくらい…)


朝食後の談話室から窓の外を眺める。

今日は久しぶりに天気がいい。


「あ、ハルカちゃんおはよー」


ルチアが談話室にやって来た。


「ルチアさん、なんだか会うの久しぶりですね」

「あはは、久しぶりって言われるくらい会ってなかったかな」


ルチアはここ最近仕事から帰ってもすぐ部屋に籠もるし、休日にいたっては一日中部屋から出て来ない。


「体調とか大丈夫なんですか?」

「ああ、心配させてごめんな」


彼女は私に微笑んで、元気な様子を見せる。


「やらなきゃいけないことがあってさ…」

「やらなきゃいけないこと…?」


ルチアは冷蔵庫を開ける。


「時間があんまり無いんだ」


誰が補充したのか、大量にあるジュースから1本を手に取る。


「そうだな…ハルカちゃんには言っといてもいいかな…」

「…?」

「夜になったらソルハンやるからそのときな」


ルチアは談話室を出ようとして、思いついたように足を止めた。


「今日はデートでもしてきなよ」

「えっ…!」

「どうせそういうこと全然してないんだろ?」

「そ、そうですけど…てか知ってたんですね…」


勘が鋭いというかなんというか…

彼女は笑いながらいなくなった。














「着きましたね」

「疲れた…帰りたい…」


ルチアの提案により美術館にやって来た。人がたくさんいて騒がしいのは嫌だとシンが行ったので、とにかく美術館にやって来た。


「そんなこと言わないでよね」

「人に酔う…交通機関に酔う…」


(次からもっと頻繁に出掛けさせよう…)


2人で館内に入る。シンはそれほど興味がないようだが。


「…あ」

「どうした?」


私はとある絵に釘付けになる。


綺麗な空に浮かぶ小さな飛行機。

『大地の夢』と題された絵画。


「これ…Atoriが教えてくれたのと似てる気がする…」

「あ、それ俺も聞いた」


いつまでも眺めていたくなる絵。

とても綺麗なのだが…


「これ…"未完成"なんじゃないかな…」

「む?それなら展示したりしないんじゃないか?」


Atoriから聞いた話を思い起こすと、やはり足りない気がする。


「もう一枚あるような…」

「ふむ、だとすると大地の絵が足りないな」


青空に浮かぶ飛行機と、それを包み込む空は、なんだか寂しそうに見えた。

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