表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/133

誰もいない世界で

閑散とした街。

人間はルチア以外1人もいない。


「誰も居なくて当たり前だよな…」


NPC化問題によって閉鎖されたゲーム世界。

ここはいずれ削除される予定だと聞いている。


ノラはこのゲームの開発チームにいたらしい。

その話を聞いたルチアは、無理を言ってこの世界のアカウントをノラから入手したのだった。


しかし新型のコントローラでは起動できない。

旧型はNPC化してしまうかもしれないというリスクがあったが、それでも彼女はこの世界に足を踏み入れた。


「…紫乃…」


世界に人が消えた今でも、その少女は街を歩いていた。


「武器はそこの鍛冶屋で強化してもらえますよ」


ただひたすら同じ言葉を繰り返す紫乃。


「どうしたら…あなたを連れて帰れるのかな…」


NPCのプログラムを書き換えてしまえばいいだろうか。

そんなことでは記憶を植え付けるだけになってしまうのだろう。


「でも…それでも…」












「…聞こえるか?」

『はい、良好です』


とりあえず紫乃にAtoriのプログラムを組み込んでみた。


「流石に記憶は戻らないよな…」

『私は何も記憶しておりません』


紫乃は無表情で応える。


「少しは人間らしくしてやらねえとな」

『人間ですか』

「そう、紫乃はこれから人間として生きるんだ。リアルのこと教えてやるから」

『了解しました』


ルチアは紫乃にできる限りのことを教えた。彼女は理解出来ないことも沢山あるようだが、今は知識だけでもと必死で話し続ける。


しばらく話していたルチアだが、急に軽い頭痛に襲われる。


"NPC化には前兆があります。頭痛を感じたらすぐログアウトしてください。"


ノラが言っていた。早く戻らねば自分も帰れなくなってしまう。


「ごめん、また来るから」

『了解しました』


紫乃は最後まで無表情のままだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ