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アカネコに別れを告げ、リアルに戻った私とシン。
そして今シンの部屋にいる。
「…」
「…」
何からどう話そうか。
部屋に来たはいいものの会話に困ってしまう。
(いい加減このままはマズイ…)
デジャブだろうか。前にもこんなことがあったような。
「…ハルカ…」
「は、はいっ」
妙なところで妙にかしこまってしまった…
「その…テツとは…」
「何もないからっ!」
「…本当に?」
シンに大きく頷いてみせた。
正確には頷いてみせようとした。
「シンさん…」
彼は捨てられた仔犬のような、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「…大丈夫ですから、本当に」
そんなシンの頭を優しく撫でる。優しくしてくれた人間に擦り寄るように、シンは何も言わずに私に抱きつく。
「ハルカ…」
「何ですか…?」
私を見上げるシン。彼は小さく見えて、大きくも見えたりした。
「…好きだ」
真っ直ぐな瞳が私を貫く。頭を撫でていた手が止まる。
「大好きなんだ…」
「「ただいまー」」
カズとコウメイが帰ってきた。
しばらくしてルチアと黒も帰ってくる。
「みんなお帰りー、ご飯出来てるよー」
「今日はテツのご飯ー!」
談話室のソファーに我先にと座る双子。
「じゃ、ハルカちゃんとシン呼ばねえとな」
黒が二階へ上がろうとするのをテツが引き止めた。
「今日はそっとしておいてやってくれよー」
「あ?」
ソファーへ黒を促す。
「今日ぐらいいいだろー?」
「ったく、いつからそんな仲良しになったんだあの2人は。なあルチアー?」
「…」
ルチアはボンヤリとしている。
「…おーい」
「あ、悪い。何か言ったか?」
「ルチアちゃんがボーッとしてるなんて…」
「病気なのかも!」
先に食事を食べていた双子が騒ぎ出す。ルチアはそんな子供達を軽く小突いた。
「少し上の空なだけで病人扱いすんな」
「「うわーん、横暴ー」」
「…」
幼子を喰らう鬼の如く、双子に襲いかかろうとするルチアを黒が抑える。
「和花…どうした…?」
小声で彼女に囁く黒。
「…何でもねえ」
黒から離れるとルチア談話室のドアに向かう。
「俺やることあるから。飯いらねえ」
その言葉だけを残して彼女は行ってしまった。
「るちるち機嫌悪いの?」
「「僕たち怒らせちゃった…?」」
そわそわし出す双子。テツは不思議そうに目をパチクリしている。
「…あいつも…いなくなる前はあんな風だったな…」
黒はそう呟きながら、ルチアの出て行ったドアをただ眺めていた。




