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「じゃあハルカちゃんはそのまま"春華"ちゃんってこと?」

「そうです…ていうかそれが当たり前です…」


談話室のテーブルにテツがマカロンを置く。

とても愛くるしい姿のマカロン達。なのに私の心は和まない。


「当たり前かあ、ホントにそうなの?」

「そうですよ…」

「それはハルちゃんの価値観とかじゃ無くて?」

「…」


当たり前。きっとそうだ。


「当たり前なことより当たり前じゃないことの方がオレっちは楽しいと思うけどなー」

「え…?」

「ほらほら、マカロンが食べて欲しそうだよー?」


テツは私を促す。なんだか気に食わなかったが食欲には勝てない。


「おいしい…テツさんってスイーツもいけちゃうんですね」

「まあね、独学だけど勉強してたから…」


そう言って苦笑いするテツ。


「板前の息子が板前するなんて当たり前じゃないから」

「え…?」


テツにいつもの笑顔はない。


「逃げてきたんだ…小さい頃から包丁持たされて、毎日毎日板前修行の世界から」


いつも笑顔だから、この顔がとてつもなく悲哀に満ちているように感じる。


「そんな時るちるち達に会った。オンラインの、広い広い世界の中で。あの子は何も知らない顔でオレに笑ってたんだ」


私の隣にテツが座る。


「名前を偽ってるお詫び。昔話をしてあげるよ」


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