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「こちらが私のフレです」

「小生はシンザンと申す。よろしく頼む」


シンザンと名乗ったその男は、青鬼の面のような盾を背負った、大柄で無精髭が立派な侍だ。


「あんたも侍なのか」

「左様。だが小生は"防御極振り"にて候」


ステータスを1つにのみ振り分ける。それが極振り。

シンに教えてもらったことがある。

ちなみにシンは攻撃中心の、極振りではなく"特化"と呼ばれるステータス。ノラは攻撃極振り。私は均等に振っている。


「パーティも揃ったし行くとするか」














桜の舞い散る夜の境内。

ここに出没する鬼を狩るのが目的。


「して、何色の鬼を狩るのでござるか?」

「ここには赤鬼が出るらしいな」


鬼は色によって様々な属性を持つ。強さも違う。

和の世界での報酬や素材は、甲冑や刀などの東洋装備と交換できる。

シンやシンザンの装備もこの世界で手に入る物だ。


「ということは"女を喰らった鬼"ですね」

「な、なんですかそれ…」


とある貴族の男がいた。男は結ばれることの出来ない女と恋をしてしまう。

2人は夜中に駆け落ちをした。しかし道中で悪天候に見舞われ、近くの小屋に女を匿い自分は小屋の前で番をすることにした。

それが間違いだった。小屋の中には鬼がいたのだ。

女は叫んだが豪雨と雷鳴のせいで男は気付かない。

朝になって男が小屋を覗いたときには、女の姿も鬼の姿もそこには無かった。


「その逸話から夜に出没する赤鬼は女プレイヤーを狙うそうですね」

「え、えー…」


ということは私が真っ先に狙われるではないか。


「心配無用。小生が必ず貴公らを守り抜いてご覧にいれよう」


不安になる私の頭上から、シンザンの自信に満ちた声が降ってくる。


「と、いうわけでハルカを囮にしよう大作戦ー」

「…はい?」

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