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ロビーには双子とテツ、それにちょっと前に逃げ出したシンが待っていた。
今日はここ周辺で遊ぶ予定になっている。
「お待たせしましたー」
「あ、ハルちゃんと…どちら様で?」
「「どちら様でー?」」
「うっせー!」
やはりみんなルチアの姿には驚いている。
「てかるちるち、そういう服着ると胸が自重しないね」
「…」
高速で走り出すテツ。それを光速で追いかけるルチア。
「ねー、今日どこ行くの?」
コウメイが私の服の裾を引く。
「そうねー、遊園地とかあったりするけど…」
「「遊園地!」」
双子のテンションが急上昇する。
「「行きたい行きたい行きたい!」」
「あはは、じゃ遊園地行こっか」
「だが黒さんがまだ来ていないぞ」
シンが口を挟む。
「えー、早く行こうよー」
「仕方ねえな、先行っとくか」
ルチアがグッタリしているテツを引き摺りながら戻って来た。
「ハルカちゃん、悪いけど黒連れて後から来てくれる?」
「わ、私ですかっ?」
「それはルチアの仕事だろ」
「こんな格好でいけるかよ」
「「早くー!!」」
双子がルチア達を引っ張って行ってしまった。
1人残される私。
(とりあえず黒さんの部屋に行ってみるか…)
「黒さーん…いますかー…?」
そっと黒さんの部屋の襖を開ける。
「あれ…いない…?」
部屋の中に人の気配はない。入れ違いになってしまったのだろうか。
ロビーに行ってみようと思い、部屋を後にしようとすると
「わっ…」
後ろから誰かが抱きついてきた。
「ハルカちゃんおはよ」
「く、黒さんっ…!」
背を向けているので顔は見えないが、この声は確かに黒さんだ。彼の体温が背中に伝わってくる。
(な、なななななななな…何この状況…!)
「てっきりルチアが呼びに来るかと思ったのに」
「…」
(やっぱり…ルチアさんか…)
「…その」
「ん?」
昨日の夜のことがまた気になる。というか、何もなかったと言って欲しい。
私は昨晩のことを黒さんに尋ねる。
「…気にしてんの?」
「あっ、いや…な、何と無く聞いてみただけで…きゃっ!」
気が付けば黒さんが私の上にいる。
「教えてやるよ」
「えっ…」
私の唇に黒さんの唇が近付いてくる。
(だ…だめっ…!)
思わずきつく目を閉じる。
しかしその時がやってくることは無かった。
「…ハルカちゃんにはここまで」
「え…?」
黒さんがギリギリで静止している。
そして私の額に口を付ける。
「みんなのとこ行こうぜ」
「あ…はい…」
"ハルカちゃんにはここまで"
それは一体どういうことだろう。
それに…
(黒さんからのキス…なんでだろ…ダメだって思った…)
私はこの気持ちの急激な変化について行けなかったのだった。




