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「お待ちしておりました」
旅館の玄関先には、妖艶な雰囲気を醸し出す女将が待っていた。
「ユウナさん帰って来てたんですか?」
「連休の間だけでも実家のお手伝いしようかな、なんて思ってね」
この旅館はユウナの家族が経営している。ユウナがまだ大学に入る前は、この美女目当ての客で連日大盛況だった。
「わ、超美人女将!お姉さん今夜どうっすか!」
「うふふ、オオヤに怒られそうだから遠慮するわ」
「あはは、オレっちもオオヤさんに消されそうだからやめとく…」
うんうん、と頷くオオヤ。ユウナはその様子をみて楽しんでいる。
「お部屋へ案内しますわ」
「こちらとお隣の二部屋を使ってくださいね」
「「ごうかー!」」
さすが高級旅館。部屋はかなり広く、大きな窓からは温泉が「いらっしゃい」と言うかのようにそこに存在している。
「そういえば…部屋割りは…どうなって…いる…のだ…っ…」
死にそうな顔をしたシンがここにきてやっと口を開いた。
外に出ることに慣れていないにも関わらず、バスにまで乗せられグロッキーになっているようだ。
「あ、考えてなかったなー。みんなで決めちゃってよ、僕は1人部屋だから」
「ずるいぞテメー」
あはは、と笑いながらオオヤはユウナの肩を抱いていってしまった。
「どうするよ?」
「はいはい!オレっちとハルちゃんとるちるちで1つでどうっすかー?」
「却下だ」
テツの提案をルチアが一蹴する。
「俺とハルカちゃんとで1部屋は確定な」
「当たり前ですね」
というわけでこの部屋は私とルチアで使うことに。
「仕方ねえ、外の世界に蹴りだされたシンの面倒みてやるか」
「うぅ…」
黒さんはシンと同じ部屋に。
「中坊のお守りかー」
「「タラシのお守りかー」」
「…」
「「…」」
一緒の部屋に決まったテツと双子はなぜか静かに隣の部屋へ移って行った。
「…なあなあ、温泉入ろうぜ!」
「私も温泉入りたくてウズウズしてました」
私たちは温泉に駆けて行くのだった。




