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街はたくさんの人で賑わっている。
特に多いのが防具を身に纏い武器を携行した人々だ。
"ソウルハンター伝"
ハンター達が協力して魔物を狩る、人気のオンラインゲームである。
街の中央にある"ギルド"と呼ばれる施設で、ルチアと待ち合わせしている。
「おーい、こっちこっちー」
銀髪のショートボブの女に声をかけられる。
「あ、ルチアさんですか?」「おう。ハルカちゃんは弓士にしたのか」
そういうルチアは身軽な装備に小刀を腰に携えている。忍の職業のようだ。
私は近接に自信がなかったので弓で戦う弓士を選んだ。
「その…初めてですみません…」
「いいっていいってー、ハルカちゃんは乙ゲー派なんだな」
「え、あ、あはは…」
"乙ゲー"
女性向けの恋愛シュミレーションゲームのことだ。
アイがはまってたっけ…
「初心者だし雑魚狩りからしたほうがいいかもだけど、防具と武器強化したら楽だから大型魔物行ってもいいか?」
「お任せしますっ」
ルチアは受付に足を運ぶと依頼書にサインする。
密林。
大型魔物の"チェシャ"を狩るのが今回の目的だ。
「そこらへんに隠れて見ててくれたらいいからさー」
「は、はい」
ルチアが撒き餌を辺りにばらまく。そして近くの茂みに身を潜める。
暫くすると猫のような鳴き声がした。
巨大な化け猫が餌を貪り始める。"チェシャ"だ。
「おらぁっ!」
茂みから飛び出したルチアが"チェシャ"の喉元に鋭い刃を食い込ませる。
化け猫は狂ったように鳴きながらもがきだす。
ルチアは深く刺さった刀をそのまま手離すと、化け猫の腹に潜り下から蹴りを入れた。
「ミギャアガァァァッ」
"チェシャ"は周りの樹を巻き込みながら吹っ飛んでいく。
「す、すご…」
「下位の魔物だからなー」
私は岩の陰から顔を出した。
「さ、魂抜いて戻ろうぜ」
魔物の魂をギルドに渡すことで生産アイテムと交換してもらえる。
ルチアが"チェシャ"のほうへ歩き出したそのとき。
-イベント発生です-
空から声がし、暗闇が訪れる。
「なっ…"ヴァスキ"か!?」
雷鳴と共に"チェシャ"とは比べ物にならないほど巨大な蛇が姿を現した。




