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入居初日の夜。
私の歓迎会を開いてくれるらしい。昼間会えなかったのは、歓迎会の買い出しに行っていたからだろう。部屋の片付けもそこそこに談話室に降りて行く。
「あ、来た来たー!」
そこにはルームメイト達がたくさんのお菓子や飲み物を囲んで待っていた。
その中から髪型をボブにした、明らかに部屋着の女性が私に近づいてくる。
「俺、ルームメイトのルチアって言いますー」
その女性が言った。
(俺…?)
「あ、女子力ゼロだから」
「よ、よろしくお願いします…」
「念願の女子だ!」
ルチアは喜んで跳び跳ねている。ルームメイトで唯一の女だったらしい。
「「次は僕たちー!」」
ルチアを押し退けて小さな2人が顔を出した。
「俺はカズ」
「僕はコウメイだよ」
黒い髪に4つの三編みがカズ、明るい茶色に顔の横で三編みを一つ結っているのがコウメイだ。中学生だろうか。まだその顔に幼さが残る。
2人とも無邪気な笑みを浮かべている。
「兄弟なのかな?」
「「双子ー!」」
髪型はかなり違うが顔はそっくりだ。
はしゃいでいる双子を見ていると、その背後にソファーにもたれてお菓子を貪る人物を見つけた。
「えっと…」
「あー、ほら、自己紹介しろよー」
ルチアに背を思い切り殴られ、むせる青年。
長い髪を無造作に束ねていて、だらしないがイケメンの部類に入る顔立ちをした青年だ。歳も私とそう変わらないだろう。
「ってぇなー…」
「あ、あの、よ、よろしくお願いしますっ」
とりあえず挨拶せねば。そう思ったのだが、
「…シンだ」
「は、はい」
「言っておくが俺はお前に興味はない」
目も合わせずにシンは呟いた。なんて無愛想なのだろう。
そんなシンにルチアの鉄拳がお見舞いされる。吹っ飛んでいくシンを、カズとコウメイが見事な連携プレーで受け止める。
「何すんだテメー!」
「やるかコラー!」
シンとルチアの言い争いが始まってしまう。双子は2人を煽っている。
「ちょ、喧嘩はやめてくださいって…」
「こうなったら"ゴリパ"で勝負だ!」
「望むとこだぜ!」
「「わーい、僕たちもやるー!」」
ルチアが談話室のテレビ台からゲーム機を引っ張り出す。
"ゴリパ"
にょん天堂が発売しているゲームソフトで"ゴリオパーティー"が正式名称なのだっけ。
確かすごろくみたいなゲーム…
「喧嘩はゲームでするのが"ホーム"のルールだからな!」




