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「…疲れた」
「着いていきなりそれはないでしょ」
なんとかスーパーまでたどり着いた私とシン。道中でぶつぶつ文句を一生分聞いた気がする。
そして調味料を使う分だけ買い揃え来た道を戻る。
もう日が落ちそうだ。
「…夕焼けなんて久しぶりにリアルで見た気がする」
シンが唐突に語り始める。
「こんなつまんねえ世界にも良いところはあるんだよな」
「シンさん…?」
「"ホーム"のやつらはみんないいやつだ。実家を追い出された俺を拒んだりしなかった」
「追い出された…」
「ゲームしか能のない人間だからな。いつしかゲームの住人になってた」
シンはなんだかこの世界に足を付けていないような気がする。まるで1人だけ違う世界にいるような。
「別にそれでもかまわない。ネットマネーでかなり稼いでいるわけだし。財布に収まるような金に興味はないし」
「…」
(シンさん……)
「…私…」
「…?」
シンと真正面に向き合う。シンが驚いて立ち止まった。
「私…ちゃんと見えてますから。この世界にあなたはいますからっ!」
「…!」
シンが泣きそうな顔になる。だが涙は見せなかった。いきなりシンが私を抱きしめた。
「わっ…」
「…ハルカって…いいやつなんだな…」
「え、そ、そうかな…っ」
そんなこと言われると恥ずかしくなってくる。というかこの状況にドキドキする。
「「あー!!」」
「はっ!」
気がつけばそこにカズとコウメイが。慌ててお互いに離れる。
「シンが外にいる!」
「そして不純異性交友だ!」
「ち、違う!不純ではなかっただろ!」
「いや突っ込みどこ微妙に違うっ!」
4人で仲良く帰ったのでした。




