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「まさか調味料が消え去るとは…」

「とりあえず今日使う分を買い出しに行く必要がありますね」


とはいえここ周辺の地理には詳しくない。


「シンさん、癪ですが一緒に行きましょう」

「はぁ!?」

「だって私スーパーまでの道わかんないし」


シンは頑なに拒絶する。


「絶対行かん!」

「じゃご飯どうするんですか?」

「双子が帰って来たら一緒に行けばいいだろ!」


『メールなのだうさ!メールなのだうさ!』


私の携帯端末の"うーさん"が呼んでいる。


『僕たちサバゲーしてから帰るよ!夕飯までには帰るよ!』


カズとコウメイからのメールだ。


「…」

「…シンさん」

「くそっ…絶対今日だけだからな…!」


初の買い出しに出発である。


「あ、シンさん。身なりは最低限整えてくださいね」


シンは適当に束ねた長髪に部屋着スタイルだ。


「む、別にいいじゃないか」

「私が嫌です。ほら、そこ座って」


無理矢理シンをソファーに座らせ髪留めをほどく。


「な、何をするっ」

「結び直してあげるだけですから」


意外にシンの髪はサラサラでまとめるのにも苦労しない。羨ましい限りだ。


「…よし、じゃ着替えてきてください」

「うぐぅ…どうしてもか…?」

「部屋着の人と歩きたくはありません」

シンを部屋へと促す。

ほっとくと服を着るのに時間がかかりそうなので、一緒に部屋に入る。


引きこもりなぐらいだからごちゃごちゃした部屋なのかと思えば意外に片付いている。


「思ったより綺麗…」

「それちゃっかり失礼だからな」


クローゼットから服をあさるシン。服も結構持っているようだ。


「めんどいからパーカーぐらいでいいだろ」

「あ、うん…」


シンはためらいなく服を脱ぎ始める。細身だがそれなりに肉付きがいい。


(って、まじまじと見るもんじゃないでしょっ)


思わず顔を背ける。


「ほら、これでいいんだろ?」

「あ…」


見間違えるほどの美男子だ。これが馬子にも衣装というやつか。


「…恥ずかしいからあまり見るな。早く行くぞ」

「はっ、う、うんっ」


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