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「てかさ、るちあんいねえの?」


ギルド前の広場。

あんこがリジュに問う。


「最近来ませんね。来ても終始無言ですし」

「えー、あのるちあんがー?」


信じられないと言った顔のあんこ。


「てかルチアさんと知り合いなんですか?」


今度は私があんこに尋ねる。


「初心者の時に世話んなったのよ」

「ルチアは…いつも初心者広場にいるからな…」


ヨタカが頷く。


「彼女は初心者の手伝いばかりしていますからね。それにヒスイさんが目を付けたわけで」

「へー…」


確かに私を狩りに連れて行ってくれるルチアはとても頼もしかった。


「そういえばさ、ヒスイさんっていくつなの?」


あんこの疑問。


「さあ、存じ上げませんね」

「どうしよう30越してたら。コントローラに踵落とししてえ」

「どんだけショック受ける気ですか!」


手を叩いて笑うあんこ。


「ハルたんの突っ込みマジパナイ」

「め、めんどくさい…この人…」


思わず口に出してしまうくらいなのである。


「みなさん、こんばんは」


すると後ろからやって来る軍服の青年。


「ノラさんこんばんは。どうしたんですか?」

「いえ、そこは私の定位置だったりするので…」


そういえばこの木の下にいつも彼はいる。


「ノラさん、お待ちしてました」


リジュが恭しくノラに会釈する。ノラは首を傾げる。


「ああ、リジュさんですね。何か用でしょうか」


リジュもノラも結構な有名人なのだな、と思ったり。


「その、ルチアが確かめて欲しいと言ってまして…」

「…それなら聞いてます。この世界の配信停止のことですね」

「え、ここ終了すんの?」


あんこが口を挟む。


「今年で終わって来年から新しい世界を配信する予定です」

「そんなこと公式では何も言ってなかったじゃん!なんで告知は遅いくせに終わるのは早いわけ?」

「あ、あんこさん落ちついて…」


私があんこをなだめる。

正直私も結構衝撃を受けていたりする。


「私は直接携わってるわけではないのでそう言われても困りますが…その時に残っていた旧世界も消去されると聞いています」

「え…」


旧世界。

確かそこには紫乃がいるのではなかったか。

おそらくまだルチアは彼女を救いきれていない。


「わ、私もう落ちます」

「もう?シン待たないの?」

「来たら言っといてくださいっ」


伝えなければ。

すぐにでも、伝えなければいけない。


私の心の中に湧いた想いだった。

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