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「お次は"カムイ"さん!メンバーはモニター参照っ!」
中庭の中央に立つ私達4人。
見渡すと思ったより観客が多い。
「自分達の狩りの参考になるからな」
「ああ、なるほど…」
「では参りましょう!汝らにギルドの加護を与えん!」
ローズの敬礼と共に聞き慣れたクエスト開始音が鳴り響く。
地面が盛り上がり、"ヤライ"と呼ばれる上半身は8体、しかし下半身で1体になった巨大な鬼が這い出て来る。
「うん…強そう…」
何故私はここにいるのだろう、と思ったり。
「やっちゃいますぜ!」
「ぃやぁっふふふふふぅぃ!」
槍を構えたあんことレクが"ヤライ"に突っ込んで行く。
「「一番槍もらったぁぁぁぁっ!」」
2人が両側から鬼の上半身をそれぞれ貫く。
「おらぁぁぁぁっ!」
レクが身体を捻ると、鬼の半身が一つ千切れる。
「おま、やり方グロいwwww」
あんこは槍を逆手に構えると、石突で鬼を滅多打ちにする。
「残りの六つはシンに任す!」
「配分おかしいだろ!」
すると鬼の身体が静電気を帯び始めた。
「落雷来るぞ!」
「えっ、きゃっ!」
皆が分散して走り出す。
私の近くにも雷が迸る。
「ハルカ!」
「大丈夫っ…」
回避動作から受身を取ると弓を引き絞る。
矢が神々しい煌めきを纏う。
「破魔矢!」
それが鬼の丁度腹の辺りを抉る。鬼は仰け反るようになったまま硬直する。
「あ…」
私の足元が光る。落雷の前兆である。
矢を放った後の予備動作で回避はまだできない。
(ま、マズい…!)
顔を伏せてダメージを覚悟する。
しかし雷が落ちると同時に私の身体は宙に浮く。
「あれ…」
「中々よかったじゃん?」
気付けばあんこと共に跳躍していた。
少し離れた場所に足をつける。
「仕方ない、後は俺がやろう」
まだ硬直している鬼にシンが太刀を振りかざし、一閃。
鬼は縦横無尽に裂け、消滅していった。
「お見事ー!只今のタイムは暫定一位の10分42秒!」
中庭に歓声が響く。
「よ、よかったぁ…」
私は胸を撫で下ろす。
「ハルたんやれば出来る子じゃんー」
あんこが私の頭を撫でる。
その後ろから太刀の柄をシンが食い込ませる。
「あ、レク。怪我してるぞ」
「大したコトねえし」
レクは腕の怪我も気にせず端末を弄り始める。
「あの…よかったらどうぞ…」
私がレクに回復薬を差し出す。彼は目を丸くしながらもそれを受け取る。
「…お前…」
「…?」
少し間を開けてレクが口を開く。
「…ピー(規制音)」
「貴様ぁぁぁぁぁっ!」
シンが今度は太刀を抜いてレクに斬りかかる。
「ちょっとー、遊んでないでさっさと退場しちゃってよねー?」
ローズに怒られる。
「…なんていうか…正常な人が恋しくなる…」
リアルの世界が物凄く愛おしく感じたのであった。




