12
「「ただいまー」」
『皆さんお帰りなさいませ』
"ホーム"に帰るとAtoriが出迎えてくれた。
「やーAtoriちゃん。相変わらず可愛いねー」
『テツさんいらっしゃいませ。先程の発言はエラーが出ましたので訂正して再発言お願いします』
「「あはは、フラれたー」」
はしゃぎながら双子が談話室へ駆けていく。
「あれ、シンがいるー」
談話室のソファーの端っこめにシンがちょこんと座っていた。
「何してんの?」
「美味しい夕食の気配がした」
「お前の勘って人間とか動物とかそれ以上だな…」
ルチアが半ばあきれぎみに言う。
「シンちゃん大正解やねー。今日はテツ様がご飯作っちゃうよー」
「うむ」
テツが談話室のすぐ隣のキッチンへ向かう。
「手伝いましょうか?」
これでも料理には少し自信がある。
「気にせんでええよー」
テツは冷蔵庫の傍に掛けてあるエプロンを身に付けると、手際よく下ごしらえを始める。
(私より断然上手い…)
なんだか少し泣けてきた。仕方なくポスンとソファーに座り込む。
暫くするととてつもなく美味しそうな匂いとともに数々の料理がテーブルに参列した。
「す、すごい…」
「さー召し上がれーw」
「「いっただきまーす!」」
私も我慢できずに一口つまんで口に運ぶ。
「美味しい…!」
料亭並みだ。
「うんうん、相変わらずの腕だな」
「あはは、光栄でございますな」
「ほんと美味しいですよこれ!"板前さん"とかなれるんじゃないですか?」
私がそう言った瞬間、テツの顔が曇る。それはほんの一瞬のことで、すぐにまたいつもの温和な顔に戻る。。
「さ、いっぱいあるからどんどんお食べー」
「うむ」
(テツさんってなんか不思議な人だな…)
まあルームメイトみんな私にとっては不思議人間なのだが。
「ただいまー。みんなの黒さんが帰って来たよー」
「「おかえりー」」
黒さんが仕事を終えて帰って来た。
「ルーム長さんお邪魔してますよ」
「よぉ、テツ。今日は泊まりか?」
「うん、今日はハルちゃんの部屋に泊まり」
「はっ!?」
何故に私なのだ。
「ほー、じゃ今日はハルカちゃん俺の部屋で寝な」
「えっ!?」
「やめんか変態ども」
「「大人って汚いー」」
「うむ」
結局テツはシンの部屋に泊まっていった。




