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黒の様子が何処と無くおかしい。
いや、確実におかしい。
(でも聞ける雰囲気でもないな…)
彼は黙ってのんとキィの再会を眺めている。
「…嬉しそうですね」
「まあ…家族なわけだしな…」
当たり障りない会話をするのも重苦しい。
「家族か…遠距離恋愛中の恋人同士な感じもしますね」
「…ハルカちゃん、遠恋したことあるの?」
「いや、ないですけど」
黒がクスリと笑う。
その様子に少し安心する。
「そういえば…ルチアさんは…?」
「あー…」
彼はわざとらしく頭を掻く。
「どっか行ってんじゃね?」
「…?そうですか…?」
これ以上追求しても納得のいく答えは出ないだろう。
「こいつらは後でルチアに引き取ってもらうから」
「わかりました。それじゃ私は行きますね」
私は黒に背を向けて部屋を出ようとする。
「…黒さん…」
「ん?」
「あ…いや…やっぱりなんでもないです…」
何か言いたかったのだが。
私には言う勇気が少し足りなかった。
「遅い…」
自室にはシンが待っていた。
「そんな時間掛かってないって…」
私はため息をつきながらシンの頭を撫でる。
「…ねぇ…黒さんとルチアさんって喧嘩したりするの?」
「む?ずっと前に一回あったような気がするな」
(やっぱり喧嘩する時はするんだ…)
悪ふざけ程度に小競り合う様子は多々あるが、本気になる時もあるのだなと思う。
「なんで喧嘩したの?」
「あいつら怒ると怖いから聞けるわけがないだろう」
「…まあ…そうだろうとは薄々思った…」




